もちのシャドール考察

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新規カード、エリアルとアプカローネについて

 お久しぶりです、もちです。楽しい楽しいシャドールストラクチャーデッキ「リバース・オブ・シャドール」の発売が迫って参りました。師走の第一週には皆様が新たなシャドールの力を得ることとなるでしょう。そして本日10月22日に、新たなシャドールたちが2枚発表されました。今後が楽しみになる、面白い効果の2枚です。

 さて、当ブログでは恒例となる各カードについての解説、考察です。基本的な使い方から、様々なコンボデッキ、混ぜ物デッキを作るに際しての動きなどを考えていきましょう。

 「お前最近音沙汰ないじゃん、死んでたみたいな奴の意見聞く気にはなれねえな!」などという方は、色んな栄養素が何をしているのか調べてみるのは如何でしょう。ビタミンってたくさんあるけど何するのとか、ミネラルって何なのとか、面白いこと沢山ありますよ。

 

 

影依の巫女(ノェルシャドール) エリアル

リバース・効果モンスター
星4/水属性/サイキック族/攻1000/守1800
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードがリバースした場合、 除外されている自分の「シャドール」モンスター1体を対象として発動できる。 そのモンスターを表側守備表示または裏側守備表示で特殊召喚する。
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合、 お互いの墓地のカードを合計3枚まで対象として発動できる。 そのカードを除外する。
 リチュアあるいは影霊衣からエリアルがまさかのシャドール化。とはいえシャドールモンスターはネフィリムとルーツを除いて他のテーマから来ているので自然と言えば自然ですが。ストーリー関連の考察も非常に興味深いですがここでは割愛させていただきます。
 さてこのカードには様々な特異点があります。それはもう、あまりに多くて笑ってしまうほどに。さあ列挙のお時間です:
  1. 除外されたシャドールモンスターを、シャドール内で有効活用できる。
  2. シャドール内で表側表示で特殊召喚できる初のリバース効果を持っている。
  3. エルシャドールたちを表側表示で特殊召喚できる。
  4. 自分の墓地に干渉できる。
  5. 相手の墓地に干渉できる。
  6. ヘッジホッグからサーチできる水属性である。
  7. ヘッジホッグからサーチできるサイキック族である。
  8. ヘッジホッグからサーチできる中でも守備力がとても高い。
  9. 影依融合でアプケローネを出す際にデッキから使用できる融合素材である。

 まあまあ書きました書きましたわらわらと。よくもまあこんなに一気にたくさん新しいことができるカードを出してくれたものです。以上の特性を、カードテキストを追いながら見ていきましょう。

特殊召喚効果について

 (1):このカードがリバースした場合、 除外されている自分の「シャドール」モンスター1体を対象として発動できる。 そのモンスターを表側守備表示または裏側守備表示で特殊召喚する。

 シャドールはどうしても除外されることに弱いテーマです。これはシャドールモンスターたちの②の効果が強力で発動しやすいためで、特殊な構築でなければ墓地で効果が発動することを前提としてゲームプランを組み立てることになるためであります。例えば汎用性の高いカードである《墓穴の指名者》は非常に苦しい存在であり、効果の発動はおろかリソースの回復のためのファルコンでの蘇生やハウンドでの回収さえも許してくれない恐怖のカードです。

 それに対して回答を入れることは今までも可能でした。しかしその全てはシャドールデッキでサーチすることが難しい、いわば「異物」に依存するものです。それらに頼ったデッキ構築だと欲しい時に握るのが難しく、結局のところ除外には屈することが少なくありませんでした。

 しかしエリアルは違います。そうやって除外されたシャドールたちを帰還させる能力を有しているのです! リバース効果なのでハウンドを絡めない限りタイムラグはありますが、シャドールサポートを受けられるカードが除外されたカードにアクセスできるというのは非常に画期的で、特に「融合モンスターが除外されちゃった!!」という最悪の状況にさえも回答を持ち合わせていることになるのです!

 

 さらにこの効果は、貴重なことに「表側表示で特殊召喚できる効果」を持ち合わせています。ネフィリムやアプケローネの「特殊召喚された場合に発動できる効果」を起動できることは勿論のこと、リバースモンスターたちを表側表示で特殊召喚できるのです。そう、「リバースモンスターを表側表示で特殊召喚できる」のです!!!!!!

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 おいでませシャドール・ネフィリム彼女の特殊召喚がシャドールというカテゴリー内でも現実的になりました!!! エリアルの効果はおおむね持久戦、長期戦想定なので、かつてブログで示した「出すべきはネフィリムなのかマリス妖魔なのか」という議題でのネフィリムを出す要件に合っています。素敵ですね。はい、素敵です。

 もっと言うとこのネフィリムは光属性なので、アプケローネの召喚条件「異なる属性のシャドール×2体」を容易に満たすことが可能です。アプカローネは戦闘で破壊されないので場持ちが良く、彼女のサーチorサルベージ効果を強制的に起動するためにネフィリムが食べちゃうことでアプカローネループを起こすことも可能です。

  • 枯らされたリソースを回収できる手段になる
  • ネフィリムを展開する手段になりえる

②墓地を除外する効果について

(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合、 お互いの墓地のカードを合計3枚まで対象として発動できる。 そのカードを除外する。

 ここまで墓地のカードを自在に、簡単に除外できる効果も珍しいでしょう。カードの種類も自分か相手かも気にせず、枚数もかなり柔軟に選べる効果です。さらにその条件が「効果で墓地へ送られた場合」というだけなので、テキトーなデッキにこの子だけ出張させることさえも可能です。今までデッキ融合するためのシャドール出張といえばドラゴンが代表格でしたが、もし環境が魔法・罠を破壊することに意味を見出せないような場所であれば明らかにエリアルのほうが適任。

 自分の墓地にある《嵐征竜ーテンペスト》を除外してサーチするも良し、相手の墓地に眠る《雷龍融合》や《閃刀姫ーレイ》を除外するも良し、それらを同時に行っても良し。すさまじいのは最後の一事。そう、デッキ次第では相手の妨害と自身の展開を一人で担えるのです!!
 例えば【獣軸シャドール】を考えると、《クロシープ》展開後にシェキナーガの素材としてエリアルと《ダーク砂バク》を落とすことで獣族モンスターを大量に展開できます。その際についでのように相手の墓地へ干渉できます。そこからシャドールネフィリムやら《小法師ヒダルマー》やらに繋ぐことで莫大なアドバンテージを狙うことも可能です。エリアルはまさに器用"万能"なカードなのです。

  • 出張させる際、環境次第ではドラゴン以上に強い存在
  • 自分のデッキの回転にも使える可能性も秘めている

③ステータスについて

星4/水属性/サイキック族/攻1000/守1800

 皆様効果には注目なさっているとは思いますが、こちらには注目してらっしゃいますでしょうか? せっかくですのでここにも注目していきましょう。

①水属性である

  • アノマリリスの融合素材になる
  • アプカローネの融合素材になる

 あたりはすぐに思い浮かびますね、他にはどんなメリットがあるでしょう?

  • 《鬼ガエル》や【水精鱗】のコストになれる
  • フィッシュボーグなどの水属性サポートを受けられる
  • 《聖なるあかり》や《暗闇を吸い込むマジックミラー》下でも問題なく仕事できる、メインデッキから入れられるシャドールモンスター

 大変興味深いカードです。特に最後。環境次第では有り得なくもないピンポイントメタに対して十分な仕事ができるカードなので、水属性であるというのは嬉しい存在です。

②サイキック族である

 レベル4なので最強カード《緊急テレポート》に対応していないのは残念ですが、それでも色々なメリットがございます。

  • 《センサー万別》下でもシャドールモンスターを2体以上並べられる。
  • 《PSYフレームロード・Λ》などのサイキック族が条件のカードのトリガーになりえる。
  • 魔法使い族メタの《パペット・プラント》などの存在を無視できる。

 他にも《ハイパーサイコガンナー》になれるなどの利点もございますが、いずれにせよサイキック族をデッキ内に自然に導入できることはデッキ内の幅を広げることができますね。《トランスターン》で《超量士ブルーレイヤー》から出せるシャドールモンスターであることも面白い着眼点です。

③守備力が高い

 これに関しては様々あるのですが:

 今まで最も守備力が高かった下級モンスターがファルコンの1400であり、デッキに入るモンスター全体で見てもビーストの1700に留まります。(厳密にはセフィラルーツの1950があるのですが、採用が難しいカードであるためひとまず流します。) しかし昨今のモンスターは攻撃力がなかなかに高く、たかが1400程度ではあっさり撃沈しますし、《超雷龍-サンダー・ドラゴン》などを相手するにあたってはアイオーンを絡めて尚死んでしまいます。低ステータスなのです。

 ここでエリアルの守備力1800は、例えば《閃刀姫ーレイ》の攻撃力1500を上回る貴重な存在であります。戦闘破壊されやすいか否かというのは、リンク召喚だけでなく融合召喚を行う際にもけっこう重要になってくるのです。

 

 以上、なかなかに面白い個性を持ったカードが「シャドール内に」登場したことが面白いのです。ヘッジホッグからサーチできる、ファルコンで蘇生できるなどといった点はやはり他テーマのカードでは出来ませんからね。

④採用基準、枚数など

 基本的にこのカードを採用する条件は以下の通りです:

  1. 相手の墓地に干渉したい
  2. アプカローネを出したい
  3. 除外ギミックに対する受けを考えたい
  4. その他何らかのコンボが存在する

 特に①については、出張セットを組むことができるほどに比肩するもののないもので、これは純シャドールであっても例外ではありません。純の場合は更に②や③がついてくるといった考えであっても良いのではないでしょうか。④は混ぜ物でのお話しになりますね。意識するものしだいです。

 採用枚数は、①重視であれば2枚ほど、②重視であれば2~3枚、③重視であれば1枚で十分です。

 ①については効果を発動する回数を考えれば十分で、昨今のゲームにおいてはひとまず落ちたキーカードを繰り返し使いまわすデッキが散見されますので、一度それを除外することで相手のテンポを大きくくじくことができます。そうすればミドラーシュやシェキナーガなどで蓋をしちゃえばある程度の速度差をつけられますね。もう一度展開してきた後のことも考えて2枚目を入れておくとより仕事が捗るので、2枚をベースに思考すると良いでしょう。
 ②について。デッキ融合ができないけどアプカローネを出したい場合を想定したいため素引きを意識したいのである程度枚数を増やします。3枚にするか否かはデッキの自由枠とエリアルにお願いするお仕事しだいでしょうか。
 ③についてですが、そもそもキーカードが除外されているゲームにおいて、リバース効果を発動して守備表示で帰還させるという動きにタイムラグが存在しているので、それを重視する環境ということはかなりスローな環境ということになります。つまり「エリアルの枚数を減らしても、サーチあるいはドローできる可能性が極めて高い」ため、もし①や②より③を重視するという選択をとるのであれば1枚で十分なのです。

 もちろん①も②も③も大事なのですが、ここで私が話したいのは「エリアルの採用枚数を考える際の指標」ですので、「どれかに絞らないとダメ!」というのが本懐ではございません。

 

エルシャドール・アプカローネ

融合・効果モンスター
星6/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2000
属性が異なる「シャドール」モンスター×2
このカードは融合召喚でのみEXデッキから特殊召喚できる。このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合、フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。そのカードの効果を無効にする。
(2):このカードは戦闘では破壊されない。
(3):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。自分のデッキ・墓地から「シャドール」カード1枚を選んで手札に加える。その後、手札を1枚選んで捨てる。

  これまた強そうな融合体が登場しましたね。先に総評を述べておくと「重要なアドバンテージ源であり、攻撃に転じる際に要となるモンスター」です。②については割愛して、まずは①と③について考えていきましょう。

①無効効果について

(1):このカードが特殊召喚に成功した場合、フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。そのカードの効果を無効にする。

 非常に使いやすい効果です。今までのエルシャドールたちと違って自発的に相手のカードへ干渉できるので非常に攻撃的な存在です。特殊召喚時という緩い条件であるため、エリアルや死者蘇生などでトリガー出来ますし、相手ターン中に融合することでも起動できます。(超融合で相手モンスターを吸収しながら出しにくいのが少しだけ悲しいですが。)

 この効果を最優先するならば出すのは遅くなりそうですが、このカードは1枚目に関しては早めに出しちゃっても構いません。理由は墓地効果の解説で確認します。翻って考えると「アドバンテージ源が相手のモンスター無効もしてくれる」ので、このカードの有無は非常に重大な問題でございます。

②墓地効果について

(3):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。自分のデッキ・墓地から「シャドール」カード1枚を選んで手札に加える。その後、手札を1枚選んで捨てる。

 同じく非常に使いやすい効果ですが、なぜというに「サーチができる」「サーチ、サルベージの範囲が極めて広い」だけでなく「捨てるカードを自由に選べる」という点も非常に大きいです。

  • ヘッジホッグを素材に影依融合から展開することで、ファルコンをサーチして8SあるいはLモンスターになりながら次なる融合である写し身や罠カードのアイオーン、場合によってはドラゴンやビーストなどにアクセスができる。
  • 現在持っている手札を1枚も落としたくない場合についても、原核をサーチしてそのまま墓地へ送ることで次のエルシャドールたちのサルベージ先を用意しつつ使用した融合魔法を回収することができるほか、ヘッジホッグを墓地送りにすることで融合素材を確保することも可能。

 以上のことからこいつは非常に存在がめんどくさいので相手からすればバウンスしたり「除外」したりすることで処理してくるでしょう。しかしここで先ほど墓地へ落としたエリアルの存在が生きてきます。そう、万が一除外されても「エリアルなら帰還させられる」のです。つまり「こいつが一度場に出ると、高確率でアドバンテージを稼げるので非常に嬉しい」のです。

 ところでこの子を出すにあたって、同じ素材で出せてしまう極めて重大な競争相手にミドラーシュが居ます。どちらも初手で出すのにふさわしい存在です。これ、どっちを出すのが良いんでしょう?

③いつ出すか

 最初に融合召喚すべきモンスターは何かというのは、ある意味で最たる問題の一つです。一般的にはミドラーシュ、ネフィリムあたりでしたが、ここに追加でアプカローネが登場しました。どれをいつ出すのが良いのでしょう? さて、いつも通り比較していきましょう。

  ミドラーシュ ネフィリム アプカローネ
アドバンテージ量
拘束力
突破力
柔軟性
出しやすさ

 ざっと比較するとこんなところでしょうか。アプカローネは欠けている要素があまりなく、極めて柔軟性が高いことが分かります。さて、表にしたところで文章化して比較していきましょう。

  1. アドバンテージ源としてとらえるなら速効性のあるネフィリムに軍配が上がりそうです。突破力という点では、戦闘に特化したネフィリムと効果無効を挟むことができるアプカローネの間で明確にどちらが強いか否かを語るのは難しいでしょう。しかしシャドール内でサーチができない光属性を必ず要求するネフィリムに比べて、ヘッジホッグでサーチが可能なエリアルで済むアプカローネは手札融合がしやすいという利点があります。
  2. 拘束力、出しやすさという点ではミドラーシュが圧倒的です。なぜなら幾枚もあるシャドールモンスターのうち2枚と融合魔法のうちどれかが引ければ良いのですから。さらに特殊召喚を一回しか行えなくする制約に加えて効果破壊耐性を持っているのでメインフェイズ1中の展開を極めて困難にしています。一方でミドラーシュ自体の突破力=戦闘能力は高くないため、相手の場に強力なモンスターがいると考えられる後攻において出すのは最適解とは言えないでしょう。

 というわけで:

 ミドラーシュvsアプカローネについては、

  • 先攻で相手を拘束する場合についてはミドラーシュ
  • 先攻でアドバンテージを稼ぎたい場合や後攻で相手の場を突破したい場合はアプカローネ

 ただし出しやすさという点ではミドラーシュが圧倒的に上なので、エリアルエリアル以外のシャドールモンスター+融合魔法の三枚が手札にある時にどちらを選ぶかを決める際の尺度として捉えていただけると幸いです。

 ネフィリムvsアプカローネについては、特にデッキ融合に際して考えるのであれば:

  • 即時でアドバンテージを稼ぎたい場合、戦闘でアドバンテージを稼ぎたい場合はネフィリム
  • 相手のカードを即時で無力化したい場合、デッキ圧縮でじっくりとアドバンテージを稼ぎたい場合はアプカローネ

 となります。どちらを出すべきか考える際の尺度となれば幸いです。

 

まとめ

 以上です。嘘ですごめんなさい。

  • エリアルは八面六臂の仕事ぶり
  • エリアルには様々な特長・個性がある
  • アプカローネも柔軟な仕事ぶり
  • アプカローネは色んなタイミングで出せそう

 簡単にですがここまで。次なる新規が楽しみですね。いつ来るのかしら、期待で胸が躍ります。