新・シャドール出張セット一覧
三本立てで連続投稿するつもりでした、多忙と無精で遅れてしまい申し訳ありません。もちです。最後の矢は最も需要があった「出張セット」についてです。シャドールは昔から出張性能も高かったわけですが新規の登場で難しく感じる方も増えてきたことでしょう。もっと言うと前回書かせていただいたアレから「ネフィリムの解除」も入ったことで光属性のデッキ使いの方でも「使ってみたい」とお考えになられた方がいらっしゃることと思います。
でもシャドールの出張って難しいんです。何を何枚入れたら使いやすいのか、エクストラに何を入れておくと不都合なく動けるようになるのか、どれくらいの枠を設けておけば良いのか、というのをシャドールに触れたことなく導き出すのは困難です。
そこで今回、改めて出張セットをまとめさせていただきました。以前の記事の内容も含めてアップデートしているつもりですので是非とも閲覧いただけますと幸いです。
はじめに
もはや恒例行事みたいに申し上げますが、「シャドールを入れることによるメリット」をきちんと考える必要があります。「闇属性モンスター多いデッキだしとりあえずシャドール入れよう」って手合いで入れてしまうとだいたい無駄が生じます。ではシャドールを入れられる条件とは何でしょう?
- エクストラデッキにある程度余裕がある
- 墓地肥やし手段を増やすことに意義がある
- 最低でも4枠以上の自由枠がメインデッキに存在している
といったところですね。そう、意外と入れる条件自体は緩いのです。じゃあ何が難しいかと言いますと「モンスター選定とデッキに入れる枚数の決定」です。きちんとした処置をしないとデッキが十全な働きをしない可能性がございます。これをどうするか次第で考えていきましょう。
出張か否かの定義について
前回の記事でも申し上げましたが「神の写し身の接触が入らないもの」を出張セットとして定義します。
シャドールの出張セットとは、往々にして「影依融合のパワーが欲しい」ためであり、正直出てきたシェキナーガなどを維持することをさほど美味しいと思っていません。もちろん有って損があるばかりではありませんが、要は「シャドールがしたいわけじゃねぇよ」ってわけですね。 私は出張セットには入らないだろうと考えているのが神の写し身との接触です。これが入るとなると手札やフィールドにある程度のシャドールが必要になり、さらにエクストラにも4~5枠ほどのエルシャドールが必要になります。これは他のデッキ部分に大幅に影響を及ぼすことになるので出張には不適になります。
結局どれくらいシャドール入れるの? - もちのシャドール考察
しかし新しいカードの登場で、以前と違い「リザードの有無について」は考える必要があります。というのも《影光の聖選士》の登場により「融合素材としてリザードを入れたいケース」が誕生したためです。具体的には「光属性が入らないデッキ」において「リバースモンスターを複数展開することが求められる」ケースでは、リザード→インカーネーション墓地という動きは欲しいものです。
目的で考える出張セット
では今までの出張を包含しつつ今回新たに追加されたカードたちについて新しく理論を立てるために、融合を目的とした出張セットについてこのように分類します:
- 融合して何かを墓地へ送る、あるいは融合モンスターを出すことが目的
- 融合素材の「ヘッジホッグ・ビースト」による手札増強が目的
- 融合素材のウェンディによるリクルートが目的
- インカーネーションによるリバースや表示形式変更が目的
- 融合素材の「ドラゴン・ハウンド・エリアル」による妨害が目的
2~4はまとめて「融合素材でアドバンテージを稼ぎたい」という風にまとめることも可能ですね。いずれにせよシャドール出張に際してプレイヤーが求めるのは以下のいずれかに該当するでしょう:
- 融合召喚がメイン
- 融合素材のアドバンテージがメイン
- 融合素材の妨害能力がメイン
以下、それぞれの場合についていくつかの例を出しつつその際に用いられる出張セットの案を提示していきます。
融合がメイン
ここに該当する出張セットは以下のような条件に該当していると思われます:
- 墓地肥やしが好ましいデッキ(特に闇属性中心のデッキ)において、サイドデッキから入れたい
- 何らかのモンスターを墓地へ落とす手段を増やしたい
- エクストラへの依存度が低いデッキで相手のエクストラモンスターへの牽制札を入れたい
- 気づけばシャドールがデッキに入っている
といったところでしょうか? 4は私くらいでしょうか。
サイドデッキから投入したい
対戦環境を考えた際に様々な対戦相手がいる場合、特に大会や特殊な身内環境を考える際には一考の余地があるプランです。
- シャドールモンスター(おもにエリアルやドラゴン)を合計2枚以下
- 影依融合を2~3枚
- 属性に該当する融合体を1~2枚
サイドデッキからのアグレッシブサイドボードをするのに普通のシャドール出張を丸々放り込むのは非常に枠を取ります。その為「一回融合できれば良いかな、場合によっては二回使えたらラッキー」くらいの想定で採用枚数などを選ぶと良いでしょう。
主に【オルフェゴール】などで見かけるこちらの構成ですが、9Xを作るためにアノマリリス+《機巧蹄-天迦久御雷》のコンボを狙うのに対戦相手しだいで変えたほうが環境的に都合が良い場合など、オリジナルデッキのサイドデッキを考えたいなーという時についてもここに該当しますね。
墓地送りの手段として
やや消極的ですが、2枚目以降の《おろかな埋葬》として想定するプランです。シャドールサポートが効くのでサーチやサルベージがしやすい反面、相手依存になるので少し稀有な例にはなります。デッキによってターゲットとなるモンスターの属性は変わりますのでEXデッキについては枚数のみ。
- シャドールモンスターはメインデッキに3枚程度は欲しい。アドバンテージ札1枚に妨害札2枚をスタートにすると考えやすいか
- 影依融合は3枚
- 融合体は融合したい回数ちょうどかそれより1枚少ない枚数で良い
こういう時に難しいのがモンスターの選定です。定義上墓地肥やし能力を優先しているので他はおまけとなりますが、まあそういう時は「ビースト・エリアル・ドラゴン」を1枚ずつ入れるスタートにしてみたら考えやすいでしょうか。
アドバンテージ源として皆大好きドローをもたらしてくれるビーストを。妨害札として散らしてエリアルとドラゴンをそれぞれ。ここから枚数を増やしていく際にはそのデッキで欲しい役割がどれなのかを考えていけばよいでしょう。ドラゴンいらねーって場合はエリアル増やしたり、妨害重視したいなーって場合はビーストをエリアルかドラゴンに差し替えても良いですし。
蘇生手段が豊富なデッキにおいて、その蘇生先を確保するのに使用しても良いでしょう。【真竜】の《真竜皇リトスアジムD》の蘇生先を確保するのに使ってみるなんてのも面白いかもしれません。あるいは【列車】における《無頼特急バトレイン》を墓地へ送る手段として考慮するのも良いでしょう。(今回例に挙げた2デッキは融合体をも活用することができるために採用されることがあるため、墓地肥やしが主目的になるのはやや珍しいかもしれません。)
珍しい例にはなりますが、【武神】への出張を考える場合はここに該当するでしょう。ムラクモなどを墓地へ送る手段として活用しつつ、厄介な生き物はネフィリムでぶっ飛ばす感じになると思います。ネフィリムをEXゾーンに出してリンクの邪魔にならないようお気をつけください。
相手への牽制札として
かなり特殊な例ですが、これはどちらかと言うと「メインデッキに入れておいてサイドチェンジの際に抜く枠」として考えると良いでしょう。墓地肥やしの能力などを視野に入れつつも流動的に捉えることでサイドチェンジの際に抜きやすくなります。私はたまにこれを使いますが:
- シャドールモンスターは1~3枚程度
- 影依融合は3枚
- 融合体は1、2枚程度にする
条件は上2つと似ていますが、これを選択するに際して重要なのはシャドール部分ではなく「他の部分がどれくらい固まっているか」になります。例えば今回の例では「シャドール枠は4~6枚」ですが、残る「36~34枚」が重要になるコンボデッキなどでサイドチェンジをする際にはけっこう役立ってくれます。シャドール枠を「抜きやすい枠である」と捉えたセットにすることでデッキ全体の流動性、カスタマイズ性を上げられるのです。
融合素材のアドバンテージ稼ぎがメイン
さて、お次はこれを見て行きます。おそらく一般的に皆様が考えるシャドール出張セットはこれではないでしょうか? アドバンテージを稼ぐ効果は様々にありますが、
のいずれかが該当します。(ファルコンの自己再生、エリアルの帰還効果はここでは除外します。)
ヘッジホッグのサーチ
< バチンウニ
アドバンテージを稼ぎたいシャドールの出張セットにおけるキーカードはだいたいこいつです。こいつでした。難しく考えずにこれを選んでも良いのですが、新規の登場で必ずしもこれが良いというわけでもなくなりました。
一見するとヘッジホッグを主軸にするならどんなデッキでもよさそうなものですが、これが意外とそうでもありません。何を持ってくるかをデッキ構築段階から想定することで、ヘッジホッグの要不要が分かりやすくなるのです。
①サーチしたい先がファルコンの場合
主目的は融合体とファルコンを合わせたシンクロ召喚か、ハリファイバーなどの特殊なリンクモンスターを出す際に考えるルートでしょう。このセットにおける採用カードたちの一例を考えるなら:
- ヘッジホッグ1~2枚、妨害札0~2枚、ファルコン【1枚または2枚】
- 影依融合は3枚
- 融合体は2~4枚(融合体は素材として墓地へ行くので融合が回収できる可能性が高いため、少し多めでも良い。デッキの中のシャドール枚数と相談)
※妨害札とはドラゴンかエリアルのことを主に差す。
ファルコンの枚数によって想定するゲームも変わります。
ファルコンが1枚の場合は基本的に融合体は蘇生せず、また出す予定のモンスターはシステムモンスターか、一回出せば十分な展開が担えるようになるモンスターのどちらかとなるでしょう。
ファルコンが2枚の場合は2枚目のファルコンは様々な役割を担う可能性があり、複数回のシンクロをするというケースもありますし、場合によっては融合素材にして墓地に行った融合体などを蘇生することも視野に入れることができます。反面デッキ枠が膨れる他、融合できなかった場合に弱くなりがちです。
しっかり考えて枚数を決定しましょう。
(②サーチしたい先がセフィラ2種の場合
主目的はペンデュラムモンスターの確保と見て間違いないでしょう。非常に稀有な例なので意識しなくても大丈夫ですが、《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》へのアクセスなどを考える際には良いかもしれませんね。)
③サーチしたい先がそれ以外の場合
主目的は【エグリスタかシェキナーガによる牽制】です。単純にそれらを墓地へ送るのではなくあえて手札に加えるとすれば、圧縮したいか手札にシャドールが欲しいかのいずれかしか考えにくく、圧縮を目的とするならそもそも相手依存のシャドール出張セットを選択することがよろしくありません。故に上記2種のいずれかが出す想定であろうと考えられます。
- ヘッジホッグ1~2枚、墓地へ送りたい子2枚程度、妨害札0~2枚
- 影依融合は3枚
- エクストラは、ミドラーシュ1枚と該当する属性の融合体を2枚ほど
このような場合は、ある程度のコントロールデッキであると考えられるのでミドラーシュを1枚忍ばせておくと対戦相手を悶絶させられる可能性がありますので、上記二種のみならずミドラーシュも入れておきましょう。おすすめです。
ウェンディのリクルート
< またあったね
新たに増えた出張セットの一角。ヘッジホッグのサーチと違ってフィールドの頭数を増やせるためアドバンテージ源として非常に有力で、またシャドールには珍しく風属性サイキック族でもあるため特殊なサポートを受けやすいという利点もあります。反面ヘッジホッグと違ってエグリスタやシェキナーガとの相性は悪く、ファルコンによるシンクロへ繋ぐにも別のカードが必要になってきます。安定性は上がり、コンボ性は下がるといったところです。
またウェンディが主体の場合、手札変化に留まるヘッジホッグやビーストと違い盤面に出力するためリクルートする先によってパワーが大きく変わってしまいます。それ故安易に枠を削った出張に入れると機能性が乏しくなります。切り詰めて全体のシャドール枚数が減っていくことはあるとは思いますが、少数出張では採用しにくいと考えて良いでしょう。具体的には「メインデッキのシャドールモンスターはウェンディ以外に2種類以上、3枚以上あったほうが良い」というところをスタートラインにすると分かりやすいでしょうか?
①リクルートしたいのがビーストの場合
たぶんですがウェンディ入れる出張セットならだいたいがこいつ目的です。2ドロー1ディスカードできるレベル5の闇属性モンスターを持って来られるというだけで強い文言なのにその横に融合モンスターが出ている。すさまじいですね。
- ウェンディ1~2枚、ビースト1~2枚、他適宜
- 影依融合は2~3枚
- 融合体は採用するモンスターの枚数しだい(デッキのシャドールモンスター数÷2を合計枚数にするのが基準)
融合の枚数を減らす択を書いているのは、ウェンディによるリクルートはやや遅効的なのでデッキとして必ずしも融合をすることが求められる出張先ではない可能性があるからです。当然融合召喚を重視、ある程度意識するなら3枚にしましょう。
②リクルートしたいのがエリアルの場合
これはシャドール展開ルート、エリアルインカによりシャドールネフィリムやマリス妖魔などのリンク召喚へアクセスしたい場合でしょう。となるとインカを落とす手段が求められますが、リザードで落とす想定となるとデッキが嵩むのでひとまずは「光属性デッキにおいて検討する」のが良いでしょう。
エリアルを1枚にすると引いたときに召喚権を確実に使うことになってしまうので枚数を確保しておいたほうが賢明と考えます。ただこのセットはどうしても枚数が膨らみやすいのでうまく取捨選択をしましょう。(あとマリス妖魔を出す時は、融合体をEXモンスターゾーン以外のところに出さないと仕事しなくなるのでご注意を。)
※他をリクルートすることもあるでしょうが、他のシャドールのリクルートを目的に構築することはほぼないと思われます。そのためここで切り上げておきます。
ビーストのドロー
< 私らも手札捨てて全無効したい
ビーストを意識する場合、ウェンディと一緒に入れると対戦相手の速度しだいでビーストを落とさないことで更にドローできるかもなので一考の余地があります。またヘッジホッグと違いデッキ内容を選ばないので出張セットに入れやすいというのもあるでしょう。
ビースト出張の場合は非常に柔軟性が高いので、融合の枚数から他のモンスターまで自在に変えられます。なのでビーストの墓地送りを重視する場合、「枚数が少ないところから出張セットの構築をスタートできる」のが魅力ですね。
- ビースト1~2枚、妨害0~2枚
- 影依融合2~3枚
- 融合体2枚程度
から徐々にシャドール色を上げることも可能な上、サーチ・リクルートのいずれでもないためデッキ内の残りリソースを意識する必要があまりありません。
かつて出張セットでは墓地へ行ったビーストをファルコンで蘇生するという省エネプランを取っていましたが、今ならばウェンディでデッキから直接場に出せるので、ディスカードを意識するならば上述の通りウェンディの枠も作ると良いでしょう。
インカーネーション
前提としてインカーネーションを意識した出張セットというのは「ウェンディ入り」になります。ただしそこから出てくるシャドールモンスターのリバース効果を重視したものになるため、デッキ内容が膨れることが大きいという欠点もあります。
- ウェンディ2枚程度、リザード1枚以上、インカ1~2枚、他適宜
- 影依融合は3枚
- 融合体は構築次第で柔軟に(アプカローネの採用も視野に入れて良いが1枚に留めたい)
何を持って来たいかをきちんと見据える必要があるので構築難易度は上がります。他の出張セット、特にウェンディ出張セットに慣れてからリザードとインカを入れてみるという形でここに行きつくのが自然かもしれませんね。
融合素材の妨害がメイン
これはかなり珍しい、というより意識してここに辿り着くことはないでしょう。というのもわざわざ妨害するためだけなら《真紅眼融合》でも突っ込んだほうが良いでしょうし。しかしシャドールモンスターたちの相手への干渉能力は極めて高く、特に結果としてエリアルなどの能力を重視した出張セットになることは有り得ます。
上述した「妨害札」というのも「ドラゴンとエリアルの組み合わせ」のことであり、相手への干渉をたった1枚入れるだけで様々に出来るようになるのは他のデッキを探してもなかなかないでしょう。選択肢の豊富さを残しながら妨害へアクセスできる……結果としてこれを重視した出張も、不可能ではありません。
- ドラゴンorエリアルを2枚程度、他適宜
- 影依融合は2~3枚
- 融合体は1枠から自在
ここからスタートできるので、序盤に書いた「サイドチェンジセット」などに適用することもできます。稀有な例なのは間違いないですが、例えばコンセプトデッキにおいてエリアルやドラゴンによって自分のデッキを回転させる場合に、融合先や他の素材よりもこれらの効果の重要度が上がるケースが有り得ますね。
エクストラに入れた融合体は対戦相手がシャドールだった時に《超融合》でまとめて除去する手段になるので、サイドから抜いたら完全に腐るということもないのが嬉しいですね。
さて、いつも通りに出張セットを作るに際して何を重視すべきかというところにばかり注視いたしましたが、何か曖昧で分かりにくいという意見も当然あると思われます。そんなときには新しい視野で考えましょう。今度は出張先のデッキ側の要請を考えるべく、出張セットの枚数ごとに仕分けさせていただきます。
枚数で考える出張セット
ここでは「融合1枚のみのケース」を一切考慮せず、融合は2枚以上のケースのみを考察していきます。私は基本的に融合1枚の出張を良いものだと解釈していません。以下その理由:
- 融合への信頼度が極端に低いため、素材を引く確率のほうが高く結果として引いてきた融合も死に札になりやすい
- エクストラ圧迫に見合うリターンが得にくいのでその観点からも勿体ない
調整した結果抜けていく可能性はあるかもしれませんが、それであれば上記のサイドチェンジプランのどちらかを検討してみるのが良いでしょう。フリーであってもサイドデッキを使えば構築は格段に柔軟になります。柔軟性に富むシャドールを出張させるのですから、そこに枠を作ることで一気に楽しくなること間違いなし!
さて、それでは「メイン枠4枚の出張」からスタートです!(3枚出張は融合2とモンスター1で確定しますが、あまりにも選択肢が少ない上に融合への信頼度も低いので個人的にはオススメしにくい。)
メインデッキに4枚出張のケース
- デッキ内のシャドールを可能な限り少なくしたいデッキ向き
- 融合3枚は採用しにくいのでそこまで融合を打つことに拘らない構築向き
- 採用するモンスターは基本的にドラゴン・エリアル・ビーストのどれか
①ドラゴンorエリアル2枚+影依融合2枚
→枚数を削って他に枠を割きたく、かつ融合召喚は1回すれば十分と考えている構築にオススメ。アドバンテージ源としてはあまり見ていないためデッキ全体として依存度を下げられている。反面打てた際の恩恵が小さいので、他部分での巻き返しが十分以上に狙えている構築で検討してみたい。
②エリアル(orドラゴン)1枚+影依融合3枚
→スロットを可能な限り空けつつ、融合を引くことを重視した出張セット。大会などでしばしば見かける。利点は当然エクストラのシャドールによる相手への干渉が狙いやすい点。欠点は基本的に一回しか融合できないので2枚目以降の融合が死に札になる点と、融合素材が固定なので相手によって変えることができない点。一回の融合で決定的なテンポロスが狙えるデッキではこれで十分。素材としてエリアルのほうが強いのは、このセットは使用する際の想定が後攻であるため相手の墓地がいくらか存在すると考えられ、相手のリソースを刈り取るという一点を見据えるに際してドラゴンよりも仕事してくれるから。
③ビースト1枚+ドラゴンorエリアル1枚+影依融合2枚
→①と違いビーストを入れることで融合を打った際のリターンをやや求めたい場合。①と同じく融合へのアクセスは狙ってないので依存はせずとも、打てた際は①よりも嬉しい。4枚出張において最も柔軟なもの。逆に言えば融合する際の効能にムラがあるのでややプレイ難度は上がる点に注意。
※この枚数の出張に他に入れられるとしたらハウンドくらいです。ヘッジホッグとウェンディは極めて不安定、ファルコンは自己再生→融合モンスター蘇生を狙わないとアドバンテージ源として十分に機能しないので先に融合体が死んでいるという前提が非常に限定的で△。唯一ハウンドは単体で「相手への干渉と自分のアドバンテージ稼ぎのトリガーに成り得る」ため、③のビーストの代わりに入れることはできなくもないでしょう。
メインデッキに5枚出張のケース
- 枠が一つ増えたので選択肢が少し増える
- 出張においてシャドールを信頼する最低ラインの枚数
①影依融合3枚のケース
モンスターは2枚なので、4枚パターンの①と③に類するセットになります。しかし融合への信頼度が格段に上がっているためエクストラの枚数は増やしても構いませんし、アドバンテージ稼ぎのモンスターだけにしても大丈夫です。融合召喚のしやすさと出来る回数から融合モンスターへの信頼度が上げられるのでアドバンテージ源のみにしても拘束力、相手へのプレッシャーは期待できるためです。
②影依融合2枚のケース
妨害札を3枚も入れる必要はないので、残る1~2枠でどのアドバンテージ稼ぎ手段を採用するかが大事です。基本はビーストですが、ここからヘッジホッグを入れても大丈夫になってくるでしょう。(もちろんヘッジホッグを入れるならサーチ先をきちんと吟味する必要はあります。)リザードやウェンディを入れるにはまだ少ないですね。
メインデッキに6枚出張のケース(基本枚数)
- ここから本格的に選択肢が増えてくる
- 融合は基本的に3枚投入
- オーソドックスな出張プラン
基本的に妨害は2枚あれば十分なので、確実にアドバンテージ源を入れることができるようになります。加えてデッキ内のシャドール枚数も増えてきたためヘッジホッグによるサーチがデッキの軸として考慮できるラインになりました。本格的に出張セット考察が楽しくなるのはここからです!
①ヘッジホッグ採用パターン
サーチ先、その際の構築例は前述のヘッジホッグのサーチのところに詳細を譲ります。ただし枚数が限られているためヘッジホッグ1枚になりますね。ファルコンサーチを目論むのであれば構築の幅がかなり狭まるのでこの枚数ではオススメしにくく、基本はエグリスタやシェキナーガのためのサーチと考えるのが良いかもしれません。
やや特殊な例としては儀式デッキにおいてリリーサーやデモリッシャーを落としつつ儀式素材をサーチする手段として使用するのも一興。
②ウェンディ採用パターン
先述しましたが、ウェンディを入れるのであれば「メインデッキのシャドールモンスターはウェンディ以外に2種類以上、3枚以上あったほうが良い」です。そのため必然的に影依融合が2枚になります。この場合影依融合への信頼度は高くないので「影依融合以外の手段でウェンディを起動できそう」なデッキにおいて検討すると良いでしょう。
ウェンディ・ビースト・ドラゴン・エリアルの4種が基本で、ドラゴンを2枚目のビーストにしたりハウンドにしたりすることでデッキが求めるものを満たしましょう。
③ヘッジ・ウェンディ不採用パターン
アドバンテージ源はおおむねビーストになると思われます。ビーストを1枚にするか2枚にするかはデッキの要請次第ですが、ウェンディもヘッジもない構築におけるビーストは引いて嬉しいタイミングが多くないので1をスタートにして、妨害2枠も要らないと思ったら2にするという具合で調整すると楽ですね。
メインデッキに7枚出張のケース(基本枚数その2)
- これ以降は影依融合3枚が前提になる
- ウェンディ出張が現実的になるライン
- シャドールの色を強めたい人はだいたいこの辺からがオススメ
デッキ内の枠が増えてきましたので、これ以降はおおむね後手の初手に出張枠のどれかを引く期待値が1を超えます。それくらいデッキ内のシャドール比率が上がっているため融合によるリターンが求められていることになり、よほどの例外がない限り「影依融合3枚投入」が前提になります。
またここからはアドバンテージ源を何にするか考慮する必要が出てきます。6でも考えましたが、特にヘッジホッグのサーチ先にファルコンという選択肢が増えたため戦略の種類に富みます。またウェンディの出張要件を満たしつつ影依融合3枚にすることも可能なのでウェンディが仕事しやすくなりました。素敵ですね。
メインデッキに8枚出張のケース
- シャドール内でのコンボ(特にインカエリアル)を狙った出張の標準ライン
光属性デッキでインカエリアルをする際の基本枚数になるでしょう。(ウェンディ1ビースト1エリアル1妨害1インカ1影依融合3で8枚。)ここからの動きは自在ですがリンクネフィリムを絡めるのであれば余った影依融合をリンクマーカー2つに変換できるのが良いですね。
メインデッキに9枚、10枚出張のケース
- リザードを絡めたインカ入り出張セットはこちら
- これより増やすと出張どころじゃなくなるのでこれが限界
非常に分厚い出張セットです。デッキは相当シャドールに侵食されていることになるので、出張というより混ぜ物デッキに近い動きになるでしょう。デッキ側からこんな大量に枚数要請が来ることは稀有ですが、リザードを使用する際にはある程度のシャドール採用が求められるので、リザード要求がある場合はこれくらいの枚数があるほうが良いでしょう:
- ヘッジホッグからサーチしてエグリスタやシェキナーガの構えを強くしたい
- 「リザード→インカーネーション」+「ウェンディ→エリアル」で既に4枠使っているので影依融合合わせて残り2~3枠しかないので、柔軟な融合召喚、ウェンディのリクルートのためにも合計9~10枠欲しい
以上、枚数ごとの考察でした。もしデッキ枚数から考えていくのであればこのように決定することもできるよ、という具合でございました。
まとめ
- 枚数から考えるか、シャドールでやりたい仕事から考えるか、デッキ側の要請を明確にしてから出張セットをチョイスしよう。
- 一覧は出来る限り書いたから参考にしてね。
- 戦略次第でシャドールは美しく輝く!!
はい、以上です。気づけば永続罠のシャドール新規も登場しており、遅れてしまって申し訳ないという気持ちでいっぱいでございます。
次はその新規カードについての考察を垂れ流す記事になると思います。数日ほどかかるかもしれませんがご容赦いただけますと幸いです。
それでは皆様の良きシャドールライフを祈って。
p.s.