エリアル覚え書き
遊戯王できる環境に帰って来られました、もちです。ニュースも遊戯王の環境も一色に染まっているこのご時世ですが、当記事で扱うのもまたいつものように、文章一色に染まっている考察になります。
今回取り扱いますのは《影依の巫女 エリアル》。新しく登場した5種類のカードの中でも対戦相手しだいでは取り扱いが極めて大事になるカードですので是非とも学んでいきましょう。
テキスト解説や雑感については先日の記事で書かせていただきましたので、ここでは更に掘り進めて行きます。ひとまずは復習から入りましょう。
活用方法
エリアルを使用する手段は主に3通りです:
以下では特に上二つに着目して説明していきます。3は2と引っ付くことがしばしばありますので包含しますね。
①効果について詳説
(1):このカードがリバースした場合、除外されている自分の「シャドール」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを表側守備表示または裏側守備表示で特殊召喚する。
この効果のポイントは2つ;
- SSするシャドールの表示形式が比較的自由であること
- 誰かが除外されている必要があること
それぞれ考えていきます。
まず表示形式がわりと選べるというのは、
- リバース効果を再利用することができる。
- ミドラーシュやシェキナーガで束縛できる。
- ネフィリム、アプカローネのSS時効果が発動できる。
といった利点を有しています。しかし「攻撃表示で特殊召喚する選択肢がない」ため、自ターンでこの効果を発動した場合、SSしたそのシャドールをダメージ源として活用しにくいという弱点も孕んでいますね。(使用するにはハウンドが必須になります。)コンボ性が上がるため、基本的にSSしたモンスターは「リバース効果を使う」か「次なるアドバンテージ稼ぎの糧にする」ことを意識すると良いでしょう。
相手ターン中にひっくり返った場合は、アプカローネを出すかネフィリムを出すかリバースモンスターを裏側表示で出すか、いずれにせよ「如何に妨害するか」を意識するのが吉です。
自分ターン中にひっくり返す場合はだいたい「アドバンテージを稼ぐ」ことが目的になるでしょう。後述するウェンディ+エリアル+インカーネーションによるリンク2展開などはまさにこの代表格ですね。
次に制約となる「シャドールモンスターが除外されている必要があること」ですが、これを解決する最強カードが存在しています。まあ皆さんご存じとは思いますがこちらのカードです:
(2):自分の墓地からこのカードと「シャドール」カード1枚を除外し、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分フィールドの裏側表示モンスター1体を選んで表側守備表示にする。
●自分フィールドの表側表示モンスター1体を選んで裏側守備表示にする。
そう、この効果。エリアルのリバースを誘因しながらSS先まで確保してくれる理想のパートナー。これ何でイラストがエリアルじゃなくてケイウス君なの?? ってくらいに相性が良いです。シャドール「カード」なのでいざという時は余った融合魔法を除外しても良いですし、墓穴の指名者などの予期せぬ除外カードへの牽制札にもなってくれるのも嬉しいですね。
特殊召喚効果の活用法1:展開
そんなエリアル+インカーネーションコンボを活用したルートといえば、やはり今まで難しかったネフィリムへのアクセスでしょう。アプカローネかネフィリムの融合召喚から出すルートもありますが、墓地にリバースモンスターのシャドールモンスター一枚とインカーネーションがある状態でエリアルをセットするだけでも可能です。(セットするのがウェンディの場合は墓地に落ちているインカーネーションのコストとするシャドールカードは何でも良く、更に言えばハウンドで起動しても大丈夫ですね);
という私にとってはA定食みたいなルートで可能です。ゲーム中盤に差し掛かって除外されているリバースシャドールが既に存在している場合はハウンドを使用しても構いません。
最初のルートについてはウェンディの墓地効果を活用することで墓地のリバースモンスターとエリアルセットの双方が狙えるので、事実上「ウェンディかリザードを素材にしてアプカローネかネフィリムを出すだけで突入できる」ルートとなります。ネフィリムはさることながら、《グラビティ・コントローラー》を使ってアプカローネを墓地へ送ることでさらなる墓地肥やしを行えるため、足りないほうを送ることができるからです。
リンクネフィリムは出しやすいルートがシャドール内で確立されたことにより多岐に亘る仕事を担えるようになりました:
- 序盤の融合からアクセスすることでそれ以降の展開を円滑にする
- 中盤に墓地リソースを活用して展開することで更なるアドバンテージ稼ぎに繋ぐ
- コントロールデッキ対決における恒久的なアドバンテージ源となる
これらの全てが許されるのは、他の融合効果持ちのモンスターと違って手札一枚あるいは場のシャドールカード一枚が即座に墓地のリンク2シャドールモンスターへと変換されるというネフィリムの特長ならではです。場合によってはダブった魔法カードを融合召喚を挟まずリンクマーカーへと切り替えられるという柔軟性も素晴らしいですね。そこへのアクセスを極めて容易にしたこの二つのルートの誕生はシャドールの戦略を極めて幅広くしてくれました。最高ですね。
特殊召喚効果の活用法2:妨害
しかし、当然と言えば当然ですが、リンクネフィリムを出すだけがこの効果の強みではありません。「融合モンスターを表側表示で特殊召喚できること」もまた、今までの主な特殊召喚手段であったファルコンや、新たに登場したウェンディやケイウスにない利点なのです。
- 相手ターン中にアプカローネをコストにインカーネーションを起動してエリアルをひっくり返すことでアプカローネを特殊召喚して効果無効を適用する。
- 同様にネフィリムを特殊召喚することでデッキからドラゴンやビースト、ハウンドを墓地送りにして相手の行動を阻害する。
- 同様にミドラーシュ、ウェンディゴ、エグリスタ、アノマリリス、シェキナーガといった置物を置くことで相手の行動を阻害する。
といった選択肢を現実的にしました。今までは相手ターン中に融合モンスターを出す手段が写し身とテーマ外のカードしかありませんでしたが、新規カードの登場で一気に二種類の可能性を獲得しました。一つはインカーネーションによる墓地からの蘇生、そしてもう一つがエリアルのリバース効果。これら二種の利点は写し身と違って「現実的に何回も発動が狙える」ことです。融合召喚を複数回やろうとすれば墓地から融合モンスターを繰り返し回収することが求められますが、蘇生や帰還であれば「戻す」という作業は不要であり、現実的と言って良いでしょう。昨今の環境ではレアな光景ではありますが、持久戦にもつれこんだ場合は「現実的に複数回展開できる」というインカーネーションの可能性は非常に重要です。
もちろんこれだけではありません。除外されているリバースシャドールモンスターを特殊召喚することで妨害に走ることができます。リザードやドラゴンのリバース効果による除去、ビーストによる手札誘発のドローやシャドールカードの墓地効果の発動狙い、ファルコンやウェンディセットによるライフ死守および別のリバース効果狙い、と様々な選択肢がございますね。もちろん妨害に走る必要性がないのであれば、ハウンドやヘッジホッグで手札を増強するのも良いでしょう。
以上のまとめはこちら:
- 展開手段が増えた
- インカーネーションとのコンボは最高
- リソース管理するのに強い
- 妨害も可能なので素敵
②効果について詳説
次はこちら。このカードの出張性能を最高たらしめる、極めて優れた妨害効果です。カードの効果で墓地へ送られるだけで発動できる墓地除外効果であり、上限枚数、除外できるカードの種類、自分・相手と除外するカードを枚数込みで選べる柔軟性――と、他の追随を許さない、まさに最強クラスの墓地リソース破壊カードです。並のファンデッキではミドラーシュの処理とエリアルの墓地破壊のコンビネーションに太刀打ちできないと言っても過言ではありません。しかもこの効果、デッキ次第では自分の展開に寄与させることも可能です。
妨害手段としての使い方、注意点
私はこの効果を最強だ最強だと言い続けておりますが、当然「使い方を誤れば非常に弱い」カードです。そのため「どのタイミングでどれを除外するか」を的確に把握している必要があり、それ以上に「特殊召喚効果と墓地除外効果のうちどっちを発動するべきか」というのを考えた上で使う必要があります。つまり何が重要かと言いますと、
- 対戦相手のデッキ内のキーカードを把握しておく。
- 対戦相手の動き次第でどこを除外することで相手の行動を阻害できるか見極める。
- 構えたい場合はある程度自由なタイミングで墓地へ送れる手段をデッキに準備しておく。
- 必ずしも墓地除外することだけが妨害として最良とは限らないと肝に銘ずる。
アドバンテージ源としての使い方
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妨害する場合は相手のデッキについて把握しておくとより頼りになる。
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どっちかしか効果が選べないのできちんと見極めよう。
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混ぜ物ではもっとパワー上がることもあるよ。
総評
エリアルは八面六臂の活躍をしてくれる強力で柔軟なカードであり、以降のシャドールでこのカードを考慮せずに組み上げるのは良くないでしょう。しかし扱いが難しいカードであることも事実で、全幅を信頼を置くためにはシャドール以外に対する考察も少しずつ求められるようにもなってきました。
さて、次はウェンディの考察記事に移りたいと思います。ヘッジホッグの記事と同様に「いつ出すか」「なぜ出すか」を追求していきますので泥臭い記事になると思いますがお付き合いいただけますと幸いです。それではしばしのお別れを。