もちのシャドール考察

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シャドールも墓地融合が自前でできるんだ!!

 皆様ごきげんよう、もちです。遊戯王もいよいよ11期、あとどれだけ続くブランドなのか楽しみでなりませんね。私が生きている間に終焉を迎えてしまうことがないのを祈っておりますが、こればかりは明日の話どころではないので鬼が雁首揃えて大爆笑してしまいますね。

 さて、此度は新たに登場したシャドールカード《影依の偽典》の考察をしていきましょう。11期にふさわしいパワーはこのカードにあるのでしょうか、考えていきましょう。「最近お前遊戯王してないじゃん、考察してるとは思えないな!」という方は、一人で行ってみたい世界遺産ベスト3と、行きたくない世界遺産ベスト3とを考えてみては如何でしょう。有名なものをどういう視点で見るかというのと、メリットデメリットをどうやって皆に説明するかというのを磨くのに良いかもしれません。

 

カード効果はこちら:

永続罠
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手のメインフェイズに発動できる。 自分のフィールド・墓地から、「シャドール」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、 その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
その後、この効果で特殊召喚したモンスターと同じ属性を持つ相手フィールドのモンスター1体を選んで墓地へ送る事ができる。 この効果で特殊召喚したモンスターは直接攻撃できない。
 ふむ、融合できる永続罠ですね。ぱっと見ではよくわからないかもしれませんが、さてこのカードはどのように使用できるでしょうか。

雑感

 一言で申し上げるなら「痒いところに手が届くカード」ですが「きちんとゲームプランを見据えて採用するべきカード」です。何が素敵と言いますと:

  • 融合素材に効果発動を終えたシャドールを使える
  • 拘束力のある様々なシャドール融合体を出しながら除去も狙える
  • 回収せずに繰り返し使用できるのでプレッシャーが他カードよりも大きい

 という三点が非常に強力です。それがシャドールネームを有した永続罠で実現できるので、ヘッジホッグのサーチのみならず、ネフィリムやアプカローネで疑似サーチ、他融合体のお陰でサルベージができ、相手からすれば単純に破壊するだけだとあまり美味しくない札になります。このカードへのアクセスはかなりしやすく、その割りに一度デッキから手札に加わると厄介なのは何となくお察しいただけたことと思います。

 反面、他の融合カードと違って手札やデッキから融合素材を供給できないため、初動として活用するのは難しいです。その為デッキにたくさん入れるのではなく基本的に1枚、除外されやすい環境であったりネフィリムやアプカローネで手札に加えるのが冗長に感じられたりする場合に2枚にすると良いでしょう。

 さて、各メリットについてつらつらと書いて参りましょう:

①墓地のシャドールを使用できる

 シャドール使いが一度は「こうあってほしいなー」と思ったことがあるテキストの一つでしょう、この墓地融合というものは。《龍の鏡》や《オーバーロードフュージョン》、《ダーク・コーリング》など古くから墓地のモンスターを素材にしたカードは存在しており、一部は【未来オーバー】などで大会でも活躍したことがあるほどにロマンとエコロジー精神に富むテキストです。

 シャドールにおける「墓地融合」とはどれほど効果があるのでしょうか? 死魂融合》がシャドールデッキに入っていたという事実がその強さを証明していると言えます。タイミングのずれはあれど、一枚からほとんどリソース損失なしでシャドール融合体がフリーチェーンで出せるというのはやはり無視できないメリット。今までは素引きかトラップトリックなどの外部のカードに頼るべきだったので信頼できなかった墓地融合カードが、シャドール内でアクセスできるのが素敵ですね。

 システム的にも有能です。リザードの存在もあり墓地のシャドール枚数は稼ぎやすく、また回収や再利用が困難な《増殖するG》などの手札誘発をリサイクルできるようになり、今まで「この誘発使いにくい相手にはデッキから送るか」と消極的な融合しかできなかった特定の属性融合体もエコに出せます

 エリアルの帰還効果の適用先を作れるという点でも魅力ですね。死魂と違って表側表示で除外するので相対的に再利用しやすい。《大欲な壺》などの対象にできるのも利点ですね。また除外された時の効果を持つモンスターのトリガーとしても活躍してくれます。出てくるのが強力な拘束力を持つモンスターかアドバンテージをうまく稼いでくれるモンスターですから、エリアルで除外するのに比べて「コンボ性は上がるもののリターンも相応以上に上がる」というのは言わずもがなでしょう。

  • 今までの墓地融合に比べて柔軟性が極めて高い
  • 単純に墓地融合が強い
  • 混ぜ物デッキにおいても有能な架け橋になってくれそう

f:id:mochimochiMidra:20200215192017p:plain<グスングスン

②融合体を出しながら除去を狙える

 私にとって衝撃的だったのはこのテキストです。

 その後、この効果で特殊召喚したモンスターと同じ属性を持つ相手フィールドのモンスター1体を選んで墓地へ送る事ができる。

 融合召喚しながら除去を行える。異様と言っても良いパワーカードです。相手の除去をしながら融合体を出せるカードとして他にも《超融合》がありますが、こちらは手札コストを要さず、永続罠なのでそのまま場に残って次のターン以降も使用できるという利点があります。さらに融合素材は場に要らないのでこのカード一枚だけになってしまっても挽回の兆しが残ることになります。素敵ですね。

 超融合と違って除去できるモンスターは場か墓地に出力できたカードしだいになるのでゲームメイクをきちんとしておかないと十全なパワーが発揮できないという難しさはありますが、それでも超融合という最強クラスのカードと競り合うことは十分できるでしょう。超融合のような「チェーン出来ない」というテキストがないので邪魔される危険性があるのは流石に見劣りしますが、シャドールネームがあるというところで差別化は図れるでしょう。

f:id:mochimochiMidra:20200215192225j:plain<一緒に相手を妨害しような!

 このカードの能力を他のシャドール融合たちと比較しましょう。他の融合、特に同様にフリーチェーンで融合できる写し身との比較をすると:

  • 二回目以降の融合をするのにあたってサルベージをする必要がない
  • 相手が既に展開しており拘束しても無意味だった今までと違い、除去を挟んでから拘束力の高いモンスターを出すことでボード・コントロールの場面に引きずり込める
  • 手札を要求しないのでロスが非常に小さい

 というメリットがありますが、反面:

  • デッキを回転させる方向にアドバンテージを稼ぐのは苦手
  • シャドールたちの効果を起動できない
  • バトルフェイズに使えない、ダイレクトアタックできないという制約から、ライフを取る戦略にはやや不向き

 というデメリットも存在します。これらから考えると、ルークは「コントロール軸のシャドール御用達のカード」と言えるでしょう。隙あらば相手のライフを削り取るプランのデッキに入れるよりは、相手の行動に干渉して自分の土俵に持ち込み得意な場で戦うデッキに入れるほうがその本領を発揮することでしょう。とはいえ死魂融合と同様に考えて入れてしまってもある程度は機能してくれます。なにぶん強力な除去能力がくっついてますので、単なる墓地融合とは一線を画す存在ですからね。

③繰り返し使用でき、さらに手札に加えやすい性質を持っている

 全融合カードを見ても珍しい、「永続罠による融合召喚が行えるカード」です。永続魔法、フィールド魔法、速攻魔法、通常罠の融合はいくらか存在していますが永続罠での融合は初めてですね。(捕食惑星は墓地効果なので除外します。)

  • 永続魔法、フィールド魔法と違ってスペルスピード2のタイミングで融合召喚が行える
  • 速攻魔法、通常罠と違って何回も使用できる

 という2つのメリットを冠する優れたカードということになります。えらいですね。相手に合わせて起動することができますから相手の行動をくじきやすいですし、一枚から得られるアドバンテージが他のカード以上に大きくなりそうです。しかもそんなカードが「サーチ・サルベージできる」のです。相手からすればこれほど面倒な存在もないでしょう。ただ破壊するだけではこの厄介なカードの脅威から逃れることはできず、また一度融合を許すだけでも厳しいロスを背負うことにもなりますのでこのカードの除去にかまけてられるとも思えません。

 そう、相手からすれば「このカードが握られているという状況自体がめんどくさい」わけなのです。デッキに眠っているか除外しているか、さもなくば脅威として自分に牙を剥く存在なのでございます。

f:id:mochimochiMidra:20200216051927p:plain

 

 新しいカードは、このような三つのメリットを併せ持った非常に柔軟で強烈なカードなのです。独立した3つのカードではなく、1つなのです。その名も、《影依の偽典》!(もはやこのジョブズのスピーチも10年以上前だと思うと、うすら寒いものを感じますが。)これらが組み合わさっているため、カードプール上に存在していれば「シャドールを使用された」というだけで相手はこのカードをある程度意識する必要が出てきます。

 これらのメリットを重ね合わせているので、

  • 相手は墓地を見ながら各ターンに一回誘発即時で融合モンスターおよび除去の両方が飛んでくるかもしれないと意識しないといけない
  • 《墓穴の指名者》を回避する際に、ロスが少なく相手への圧力をかけることもできるため有意義以上の交換に持ち込める

 などといった特性も有しています。もし初動をこのカードに求めないのならば「墓地のカードを適宜使いながら毎ターン除去と融合体を出し続ける」魔境のようなグッドスタッフデッキを作ることも可能になりますね。今までは融合するのに融合魔法を使用し続ける必要がありましたが、ライトロードや彼岸などのような墓地肥やしに長けたデッキにこのカードとともに何枚かのシャドールカードを入れることで特殊な型の出張が作れるかもしれません! かなり特殊な例なので記事として取り上げるつもりはございません(継戦のためのシャドール出張は要求される条件が特殊なので記事にしにくい……)が、それでもこのカード一枚が様々な可能性を有したカードであることは皆様ご理解していただけたことと思います!

まとめ

  • 永続罠での融合はすごい
  • 墓地融合なのもすごい
  • シャドールネームなのもすごい
  • これが全部合わさってるからすごい

 以上です。今回のまとめ、各パートのタイトル持ってきただけでは????

 最近ブログ書くのが遅くなってしまって申し訳ありません。また何か記事ネタが出てきましたら書かせていただきたく存じます。それでは!