もちのシャドール考察

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炎と地も登場したシャドールさん

 お久しぶりです、もちです。毎回これから始めていて恥ずかしい限りでございます。多忙と言えば多忙、暇と言えば暇という、ただただ時間管理が下手くそな私でございます。もうちょっとメリハリきいた生活すれば人間力も向上するのでしょうが、まだまだ未熟なことを痛感させられます。

 さて、10月14日に発表されました2種類の新規シャドールについて、いつものようにつらつらと考察を垂れ流して行こうと思います。快刀乱麻というわけではなく、各カードのメリットや、カードデザイン的にどう使って欲しいのかという推測を交えて色々と語らせていただきます!

 今回登場した二種類のモンスターたちは、少し採用に苦心するかもなので、しっかりと考えていきましょう。

星なる影(ネフシャドール) ゲニウス

リバース・効果モンスター
星4/地属性/機械族/攻1800/守1000
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードがリバースした場合、自分フィールドの「シャドール」モンスター1体を対象として発動できる。 このターン、その表側表示モンスターは自身以外のモンスターの効果を受けない。
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合、フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。 このターン、その効果モンスターはフィールドで発動する効果を発動できない。

 地属性シャドールということで新たに登場しましたゲニウス君。効果を抜きにしても面白いところがあり、それが種族・属性ですね。《爆走軌道フライング・ペガサス》や《転回操車》、あるいは《ギアギアングラー》のサポートを受けられるシャドールであり、前者は【列車】においてシェキナーガを維持するモチベーションとして、後者は安定した融合素材の供給源として、それぞれ可能性を感じさせられます。

 効果については、「アドバンテージ稼ぎはできないが、相手のテンポロスをとにかく狙うことで自分の土俵に引きずり込む効果」になっております。

モンスター効果について

 墓地送り時の効果ですが、貴重な妨害手段として活躍することでしょう。《禁じられた聖槍》などと違って既に発動された効果には無力であるため、置物に対して発動することで牽制する形になりそうですね。ドランシアみたいなカードにはとても良い嫌がらせになりそう。またエグリスタ君が手札コストにするにあたってとても強力なカードとなっています。今までエグリスタはハウンドとドラゴン以外で盤面に干渉できなかったのですが、このカードの登場により既に存在しているモンスターの誘発効果にも待ったがかけられます。そのためエグリスタの抑止力がある程度向上したと言えるでしょう。

 リバース効果は、かなり強力な防御性能を持っていると言っても良いのではないでしょうか。”発動できれば”ミドラーシュやシェキナーガ、アプカローネなどを墓地送りや除外から守れるため強烈です。
 しかし個人的にはこの「リバース」が難しいと思っており、ゲニウスをセットしてフリップして……という一手間をかけた結果が「期間限定の防御」であるため、少し重さを感じさせられます。開発側としては融合素材にしたウェンディで出したゲニウスを堕ち影やリンカでフリップして防御してね、という意図で制作したと思われますが、ややヘビーですね。

主な使用デッキ

 ゲニウスを好んで使うデッキは「コントロール寄せのシャドール」になります。墓地効果による撹乱を主にして、時にはファルコンなどを駆使してリバースしていく想定のカードであるため、アドバンテージ稼ぎを求める序盤のみを想定するデッキには呼ばれることはあまりないでしょう。
 また出張セットにおいて少量の妨害札として機能させることも可能です。エリアルやドラゴンの代わりとして採用するということですね。地属性が活かせるというデッキだけでなく、対戦相手が使ってくる置物モンスターがしんどい場合に採用を検討することが可能です。

ゲニウス総評

 このカードの活躍具合は墓地効果がどの程度活きるかに強く依存しているため、環境に誘発効果の置物モンスターが蔓延するかゲームが低速化すると途端に輝きを見せてくれるに違いありません。
 ただいずれにせよアドバンテージ源ではないため、枚数は控えめで良いでしょう。

  • 意外とサポートが豊富なステータスをしている
  • 防御札だけどアドバンテージは稼ぎにくい
  • コントロールデッキでは強そう、出張セットでもわりとお仕事ありそう


影依の炎核(ヘルシャドール) ヴォイド

リバース・効果モンスター
星9/炎属性/悪魔族/攻2900/守2900
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードがリバースした場合、 相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。 属性がそのモンスターと同じ「シャドール」モンスター1体を 自分のEXデッキから墓地へ送り、対象のモンスターを除外する。
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。 フィールドのモンスターの元々の属性の種類の数だけ、 自分のデッキの上からカードを墓地へ送る。

 炎属性シャドールは、真っ赤に燃え上がったエグリスタ君ですね。このカードについてはかなり特殊なところが多いので以下にたくさん列挙していきますが;

  • 炎属性である
  • シャドール全体の最高攻撃力を有している
  • 悪魔族である
  • レベル9である

 などでしょうか。炎属性であるため《召喚獣プルガトリオ》などに繋がる他、悪魔族であるため《悪魔の嘆き》や【暗黒界】サポートを受けられ、エグリスタの融合素材として準備できるレベル9であるためヘッジホッグでファルコンサーチから《浮鵺城》を出してランク9へアクセスすることが現実的になりました。

 このようにかなりのクセがあるカードですが、それに更に拍車をかけるのがステータスの高さです。攻守ともに2900あり、アイオーンと絡めることでだいたいのモンスターを超越できるようになります。それがウェンディの墓地効果から軽いノリで出てくるのは面白いですね。

カード効果について

 まずは墓地効果について考えていきましょう。これまたかなりクセが強いです。ステータスと同じかそれ以上に。シャドールは元来後攻でデッキ融合できると楽しいデッキですが、このカードはそれをさらに加速させてきます。相手の場に居ない属性のシャドール融合体を出すことで3枚や4枚のカードをデッキの上から墓地へ送れる可能性を秘めています。
 しかし何もない時に雑に《おろかな埋葬》で墓地へ送っても意味がないですし、《隣の芝刈り》スタートをした場合にも場にモンスターがいないと無意味になります。コンボ性は高いが安定性に乏しい、そんな博打めいた効果が、ヴォイド君の墓地効果になっています。

 私が思うヴォイド君の強いところは、今からお話しするリバース効果です。融合シャドールを墓地に置きながらのモンスター除外。これがウェンディから飛んで出てくる可能性こそがこのカードの脅威なのです。戦闘で破壊しにくいステータスからダメージステップ中にアドバンテージを稼ぎながら除外が飛んでくるため対処がややしにくい。かといって戦闘だけが本懐というわけではなく、セットさえすればインカなどでひっくり返せるため今までよりも軽いノリで除外を飛ばせるようになりました。

 上のゲニウスとのコンボを挙げるなら、ダメージステップにヴォイドをリバース→アプカローネを墓地へ送りながらダメージステップ中に除外→アプカローネの効果でゲニウスを墓地へ送る→モンスター効果の発動を阻止する。という具合で二面ストップをすることが狙えますので、相手としてはヴォイドを殴ることは非常に嫌な行為となります。

 さて、そんな面白いこのカードの厄介なところは、まさにそのレベルの高さにあります。出す際に確実にバレるんですね。レベル9などというモンスターのアドバンス召喚なんて、シャドールではやってられません。ではどうやって出すかというと、まあウェンディで出しますよね。あるいはファルコンやケイウス。そう、見せなきゃいけないのです、今からヴォイド出すよーって。アイオーンと違って奇襲性に大きく欠けてしまうんです。奇襲したい効果を有しているのに、ああ勿体ない! このカードをリバース効果目当てで採用する場合はケイウスかファルコンと一緒に登用してあげてウェンディ以外にも出す手段を用意しておくと良いでしょう。

 とはいえ可能性を感じるカードですね。クセが強いので出張した際の爆発力はとても高く、また特殊なデッキとの親和性を有するので新たなシャドール出張先を獲得できるかもしれません。そのデッキにおいてヴォイドが活躍できるか否かをじっくりと見極めた上で採用しましょう。

主な使用デッキ

 主な採用理由としては、墓地肥やし役としての少量出張と、罠寄せ純構築におけるミラーなどでの除去役などが挙げられそうです。相手の展開に対してデッキ融合からヴォイドを落とすことで今までなら送れなかった速度でデッキのカードを墓地へ叩き込めます。また闇属性を除外するのであればアプカローネを要件に使用できるのでリバース効果もかなり有用です。

 余談ですが、ヴォイドの除去に特化するというファンシーなデッキを組むのであればセフィラシャドールたちに活路が見い出せます。除外コントロールにシャドールを添えるデッキにおいてセフィラルーツの墓地効果をトリガーできるかもという話ですね。

総評

 尖った性質を有しているため、採用枚数、理由の双方を吟味することが求められます。何らかの展開デッキにおいて更なるアドバンテージ源として使用する場合は2枚ほど、リバース効果を重視するなら1枚程度に留めておいてファルコンやケイウスなどの展開手段を確保するのが良いでしょう。

  • クセがすごい(千鳥並感)
  • ステータスが高い炎属性
  • 貴重な除外効果持ち
  • ポテンシャルを秘めた墓地効果

 

 今回は以上になります。簡素な解説になってしまって恐縮ですが、皆様の中で両者の使用に際して道筋となれば幸いです。