結局どれくらいシャドール入れるの?
シャドールは往々にして難しいデッキです。いや値段の話ではなく。プレイングもさることながら、重要なのは構築段階からのプレイ想定なのです。構築がデッキを生かすも殺すも決めると言って良いでしょう。出張する場合でも同じで、せっかくのアドバンテージを殺さないようなプレイングを要しますが、そもそも構築を誤った場合アドバンテージを取ることができないかもしれません。「シャドール入れたけどただただ事故っただけじゃん!」なんて、とんでもないお金の無駄になっちゃいます。
ほら、この「遊戯王カード検索」のページを見てください、三枚買ったら6000円ですよ、6000円。6000円を腐らせちゃう、こんなに勿体ないことはありません。6000円あったら焼き肉食べられますよ、焼き肉。上質なところは無理ですけど、食べ放題とかなら行けます!勿体ない!!
そこで今回は、自分なりにシャドールを触って来た経験から、どの程度の枚数を入れるとバランスが良いのか、また出張させる場合にそれぞれ何枚を入れるとバランスが良くなるのか。こういう「構築論」の一番論争を呼びそうなところに踏み込んで行きたいと思います。私が見落としている可能性、あるいは問題点があるかもしれないことはご容赦を。それでも個人的に練ったつもりではあります。敲き台となるならば幸いでありますし、またどなたかに少しでも感銘を与えられたならば無上の喜びでございます。
「シャドールなんて組まないよ」という方や「お前みたいな雑魚の構築論なんざ誰が読むかよ分際をわきまえろ」という方は、哲学の本や物理学の本など、普段は滅多に触れない学術分野の入門書を手に取って見聞を深めると良いでしょう。一分野に偏ることは何のメリットもありませんからね。
引く確率と引いちゃう確率を考える
まずはここから始めましょう。デッキを組む案を練る際にはこういう確率論が重要になってきます。もちろんシャッフルの仕方などが全くの無作為と言うわけではありませんから一概にこの通りという訳ではありませんが、指標としてはとても扱いやすいものです。なので確率からスタートして、初動に何枚来るっぽいのか、あるいは融合がどれくらいの確率で来るかなどを検討していきましょう。計算式などは省略しますね。遊戯王Wikiさんに確率の出し方は書いてありますので、それを参照してください。
融合を手札に持てる確率
これはデッキ枚数を検討するための部分ですね。あくまで融合のみを想定しているので、無論他パーツとの兼ね合いがあります。それを念頭に置いた上で、ひとまずはどれくらいの確率で初手に引けるのかを考えてみましょう。
山札の枚数 | 初手5枚にある確率 | 初手6枚にある確率 |
---|---|---|
40 | 12.5% | 15% |
42 | 11.9% | 14.2% |
45 | 11.1% | 13.3% |
48 | 10.4% | 12.5% |
50 | 10% | 12% |
60 | 8.3% | 10% |
山札の枚数 | 初手5枚にある確率 | 初手6枚にある確率 |
---|---|---|
40 | 23.7% | 28.1% |
42 | 22.6% | 26.8% |
45 | 21.2% | 25.2% |
48 | 19.9% | 23.7% |
50 | 19.2% | 22.8% |
60 | 16.1% | 19.2% |
山札の枚数 | 初手5枚にある確率 | 初手6枚にある確率 |
---|---|---|
40 | 33.8% | 39.4% |
42 | 32.3% | 37.8% |
45 | 30.4% | 35.6% |
48 | 28.6% | 33.6% |
50 | 27.6% | 32.4% |
60 | 23.3% | 27.5% |
ここからお分かりいただけることには、結局どれだけ構築を練っても「初手に来る」確率は4割ほどでしかないのですね。むろんドローソースなどで大幅に変わる訳ですが。だからこそクリバンデットや闇の誘惑が輝くのですけどね。重要なのは、初手で高確率で握るにはデッキを大量に掘り進めるような構築にする必要があるということです。これはシャドールのデッキ融合による優位性を損なう危険性も孕んでおり、一長一短です。難しいですね。ところで孕むというと妊娠などの意味もありますが、矛盾を孕むなど、少しネガティブな意味を持つ言葉とのコロケーションがあるのは個人的に面白いと思っています。
それ以上に私が申し上げたいのは、「枚数削ると随分と来にくくなる」という点です。デッキ枚数と単純な枚数のうちどちらのほうが重要なのかパッと分からない方もいると思いますので例示をしましたが、1枚削るだけでも1割以上の確率が下がります。対してデッキ枚数でそこまでの差を付けようとすると、15枚以上の差をつけなければなりません。
要するに「デッキ枚数を削って確率を上げたりするのは3枚投入してからの話」ってことです。タワーデッキに入れた後に引く確率上げたいなーと思って、無理にデッキ枚数削ってもしゃーないのです。さらに言うと山札で1枚や2枚の差はそこまで大きくありません。だから必死こいて「1枚でも多く抜かなきゃ!」といって回転パーツを抜くべきか否かはよく考える必要があるのです。1%のためにデッキを壊すようではいけませんよ、ということですね。(厳密にはデッキに何枚入れるとそれらを初手で引ける枚数の期待値が1になるかという問題点が生じますが、ここでは融合の話だけなので一旦保留します)
余談ですが、二枚積みをすることで「引きたいけど初手で被ったりするのを避ける」は確率論的にはナンセンスです。「初手で被らない」のほうは成功しますが「引きたい」は満たせなくなりますので。上の表を見ていただくと分かると思いますが1割近くの確率で引けなくなりますね。もうちょっと詳しく言うと、「被らないけど引ける確率」自体が5%ほど下がっているんですよね。
シャドールモンスターを何枚引くことになるか
こちらも重要な案件になります。何枚引くの?あるいは引いちゃうの?期待値は何枚なの?これを無視すると手札にダブったり、あるいは手札融合を想定しているはずなのに手札に全然モンスターが来ない><となったりします。勿体ないですね。せっかく写し身を入れたのに使い物にならないかもしれない。特に後者はデッキ融合が望めない時に、おろかな埋葬やマスマティシャン、終末の騎士によるヘッジホッグからのサーチを除いて、どれくらいの確率で引けることになるのかを考えることになるでしょう。
ところで先ほどのことから察していただけたでしょうが、この三枚がシャドールにおいてとても優秀なのは、手札のシャドールの枚数を確実に増やせるという点があるからですね。圧縮という点以外にも、手札に来るシャドールの枚数をほぼ任意のタイミングで増やせるというのは大きいのです。だからこそこの墓地肥やしやヘッジホッグの効果などを無力化されると一気にテンポが崩されることになるのですが……。
デッキ枚数とシャドールの投入枚数で、それぞれシャドールが手札に来る期待値をまとめます。初手は6枚前提とします。期待値の出し方については数学の教科書を引っ張り出してもらえれば分かると思いますので解説は省略しますね。
投入枚数 | 40 | 41 | 42 | 45 | 48 | 50 | 60 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2 | 0.300 | 0.293 | 0.286 | 0.267 | 0.250 | 0.240 | 0.200 |
3 | 0.450 | 0.439 | 0.429 | 0.400 | 0.375 | 0.360 | 0.300 |
4 | 0.600 | 0.585 | 0.571 | 0.533 | 0.500 | 0.480 | 0.400 |
5 | 0.750 | 0.732 | 0.714 | 0.667 | 0.625 | 0.600 | 0.500 |
6 | 0.900 | 0.878 | 0.857 | 0.800 | 0.750 | 0.720 | 0.600 |
7 | 1.05 | 1.02 | 1.00 | 0.933 | 0.875 | 0.840 | 0.700 |
8 | 1.20 | 1.17 | 1.14 | 1.07 | 1.00 | 0.960 | 0.800 |
9 | 1.35 | 1.32 | 1.29 | 1.20 | 1.12 | 1.08 | 0.900 |
10 | 1.50 | 1.46 | 1.43 | 1.33 | 1.25 | 1.20 | 1.00 |
13 | 1.95 | 1.90 | 1.86 | 1.73 | 1.62 | 1.56 | 1.30 |
14 | 2.10 | 2.04 | 2.00 | 1.86 | 1.75 | 1.68 | 1.40 |
さて、ずらずらと並べましたね。何のためにでしょうか。別にインテリぶるためじゃありませんからね?何か期待値とか書ける私カッケェしたいわけじゃありません。嫌味でもありませんってば。私だって大した頭持ってないので困ってるんですorz
答えは「手札にシャドールがダブっちゃう」はいつ起こりうるのかを明らかにするためです。期待値が2を超えている場所はシャドールが二枚以上来る可能性が高い場所になります。
あるいは「一枚はシャドール来てくれる」枚数比率を明らかにするためでもあります。期待値が1より下回っている場所では来ないことが少なくないということです。
つまり「シャドールモンスターはあんまり引きたくない」場合は、まずはデッキ内のシャドールモンスターの数を大幅に減らす必要が出てきます。逆に手札に二枚以上来て欲しい場合はデッキ枚数を42以下に削った上で、更にデッキに14枚ほどシャドールモンスターを投入することが求められます。こうする場合は多分《魂写しの同化》などを入れて確実に融合体にアクセスすることを想定することになるのでしょう。手札がシャドール一色になる確率も1分ほどあるので怖いですけどね!
さらにこれらの結論をここに書きましょう。「デッキのヘッジホッグにアクセスする能力自体があるなら、枚数は融合する回数+αくらいでOK」です。シャドールを使っている方ならお分かりいただけると思いますが、シャドールモンスターは別に手札に一杯来てもさほど嬉しくありません。
もち「じゃんけんポイ。あ、負けた。後攻か。さて、手札はどうなって……」
《シャドール・ヘッジホッグ》《シャドール・リザード》《シャドール・ビースト》《シャドール・リザード》《神の通告》
<うわあああああぁぁぁぁぁ……
(コマンドーより、サリー落とされるシーン)
シャドールばっか来ても「モンスターセット、エンド」しか出来ません。今のゲームの速度でそれは致命傷になります。よほどシャドールを握りたいデッキ構築以外では、枚数は10枚程度にしておいて、引くシャドールモンスターの数は1~2程度であるようにするのが良いでしょう。
純構築と出張セットの差
もう一つ、これを語らないで先に進むのは不可能ですね。先述しましたが、この二つを「リザードと写し身が入っているか否か」で分別します。何故なのかをここに記述させていただきます。
シャドールの出張セットとは、往々にして「影依融合のパワーが欲しい」ためであり、正直出てきたシェキナーガなどを維持することをさほど美味しいと思っていません。もちろん有って損があるばかりではありませんが、要は「シャドールがしたいわけじゃねぇよ」ってわけですね。
私は出張セットには入らないだろうと考えているのが神の写し身との接触です。これが入るとなると手札やフィールドにある程度のシャドールが必要になり、さらにエクストラにも4~5枠ほどのエルシャドールが必要になります。これは他のデッキ部分に大幅に影響を及ぼすことになるので出張には不適になります。
するとシャドールモンスターがある程度の枚数を要することになりますが、ここで必然的にリザードが入ってくることになります。なにせ写し身は、前の記事で話した通りにデッキの好きなシャドールにアクセスできるリザードがあることで本領を発揮できますからね。そしたら写し身とリザードはセットになります。これ故に、私はリザードの存在もまた二つを分かつ大きな要因であると考えているのです。
リザードが必要になるほどの枚数となれば、融合は3回ほどすることになるでしょう。とすればデッキ内のシャドールモンスターは、リザードによる圧縮、おろかな埋葬などによるヘッジホッグへのアクセスを想定すれば、4×2+1の9程度が一つのラインになるでしょう。融合写し身と合わせて13、これは決して小さくない枠です。堕ち影まで入れると更に膨らみますね。出張と主張するには難しい。
出張セットにおけるシャドール投入案
ではいよいよ本命。出張セットにおいてシャドールをどれくらい入れるとどんな意味を持つことになるのかを話していきましょう。前提として出張セットにおいては、後攻の初手に来るシャドールモンスターの期待値は0.7枚以下であることを意識しています。つまりシャドールの枚数はどれだけ多くても7枚以下という想定です。私は5枚でデッキ総数を多くするか、あるいは4枚以下にするようにしています。
ドラゴン2+融合2~3
<相手を邪魔するよ
モンスターを3より少なくしています。デッキ融合一回を想定した形ですね。ヘッジホッグもないのは、リバース効果も融合時も相手の場に干渉できるものだけにして融合によるアドバンテージを一定にするためです。とりあえずシャドールモンスターが来ると困る場合はこのような構築にすることが想定されるでしょう。主にリリーサーなどを落とすのにおろかな埋葬などを使いたくないために使用することがありますでしょうか。
この場合の融合の数は悩みますね。一回しか融合できないでしょうし、二回も融合ができれば十分ですからね。しかし早めに引くことを想定するならば融合は3でしょう。余った融合は伏せたりしても良いですし、手札コストに当てても構いません。回収ができなくても他で動けますからね。そんなに引かなくても良いやと感じたり、絶対に被りたくないという場合は2でしょうか。ただ引きにくくなるのでどうなるかは運次第です。
ドラゴン2ヘッジ1+融合3
<サーチャーだよ
出張の基本形だと思っています。これも上と同じで、シャドールではないほうの何かでアドバンテージを稼ぐのに使用します。デッキ融合は1回できれば十分でしょう。筆頭は魔サイからのリリーサー。ついでジェットロンで出したエグリスタからの8シンクロでしょうか。そしてついでにヘッジホッグによるハンドアドバンテージ稼ぎも視野に入れます。ヘッジホッグのリバース効果により融合へのアクセスも狙うことができるでしょう。ヘッジは初動以外で手札に来るとちょっと困るので融合を3にしておき早めにデッキから離すと良いかと思われます。ドラゴンを持っておくとシェキナーガで睨みを効かせることができるのでヘッジホッグの存在は大きな潤滑油になります。
ドラゴン2ビースト1+融合3
<ドローしようぜドロー
ヘッジホッグではなくビーストの投入。目的はヘッジホッグと同じく手札を増やすことですが、こちらはヘッジホッグと違って他のカードに触れられるのが利点ですね。サーチよりドローのほうが強いと感じる場合はこちらを推奨します。つまりシェキナーガによる牽制をしないゲームプランを取るということですね。シェキナーガを壁やただの打点として扱う場合や、あるいはミドラーシュを素材にする場合など、そういう場合ですね。ウェンディゴなどを素材にするという可能性もありましょうか。いずれにせよ融合体を維持しない前提の構築になりますね。
ドラゴン1ヘッジ1ビースト1+融合3
仲良く一体ずつ。ヘッジホッグでリザードとビーストをタイミング次第で使い分けるプランです。私は儀式系のデッキでこれを採用したくなります。墓地のリリーサーを活用するために場のミドラーシュなどを残しながら出す際に、ヘッジホッグでサーチしたモンスターが使用できますからね。これは大変優秀で、アルティメットデクレアラーの素材調達もやってのけてしまいます。ミドラーシュ+ビースト+リリーサーで合計13ですからね。召喚権なしでこれを出来るのはやはりスグレモノです。つまりセンジュなどに召喚権を割く余裕があるのですね。リリーサー+ビーストでレベル6~8を出すこともできますし、ドラゴンならば5~7が出せます。
特に影霊衣においてはヴァルキュルスがありますので、手札に来たシャドールの処理はかなりやりやすいでしょう。
ドラゴン2ヘッジ1ファルコン1+融合3
<I'm a perfect tuner.
ファルコンを入れた場合の最小限セットでしょうか。この子は優秀ですね。端的に申し上げますと出張セットの際のファルコンに「盤面維持」と「シンクロの潤滑油」のどちらの仕事を与えるかは人それぞれです。どちらも出来るなら良いですが、恐らく難しいでしょう。私はベアトリーチェで相手のエンドフェイズに落とすことで、蘇生効果もチューナーとしての仕事も果たさせていますが、一般的にはどちらかを諦めることになります。
この一枚が入ることによる強みは「シャドールの攻めの能力も入れられる」ことです。ミドラーシュと共に7シンクロを作るのが筆頭でしょうか。ブラックローズで全面空けつつ墓地に送ったリリーサーを使用してリリーサークラウソラス、なんてのも強烈ですね。アーカナイトでも良いですね、盤面が維持できます。攻撃ができるとは(ry
ドラゴン2ヘッジ1ファルコン2+融合3
ファルコンを2枚にしました。ファルコンで盤面維持することとシンクロすることの双方を想定しています。6シンクロ体を立てた横で融合をすることでヘッジホッグにアクセスして8シンクロを出したりすることができますね。もう一枚ファルコンが残っているのでシャドールの蘇生権を気にすることなくシンクロできるファルコンがあるという強みがあります。もちろん弱点としてはシャドールの枚数が増えてきたのでデッキ枚数を増やしたりしないと手札に高確率でやってきてしまうという点が挙げられます。構築段階からゲームメイクを想定すべきという話をしていますが、こちらはシンクロしながらもシャドールモンスターの維持を想定しているのですね。つまりシャドールの性質で特長的な部分が欲しいという性質を強く見せているのです。
ドラゴン1ヘッジ1ビースト1ファルコン2+融合3
ドラゴンではなくビーストを投入してモンスターを5枚。種類を増やすことで柔軟性を保ちつつ、ファルコンによりビーストを蘇生させることでドローターボを狙っています。それでいてファルコンが1でないのは攻め手をなくさないという意味もある他、ビースト以外も蘇生することを想定しているためです。この出張セットは、私であれば闇属性デッキへの出張として使用します。ヘッジはファルコンか、リリースするためのモンスターがいるならばビーストにアクセスするのが自然でしょう。融合によるアドバンテージを、ビーストの活用に充てつつも展開などへも視野を広げるのですね。そのようなプレイングを心がける場合、最低限の出張セットはこのようになります。
どうしてファルコンは1じゃないのかと申しますと、ビーストはシェキナーガと違って維持すること自体が強い札ではありませんのでファルコンの盤面維持能力を損なうことになりかねず、ビーストの蘇生に重きを置いている場合はファルコンの強みである「盤面維持」も「チューナー供給」もままならない可能性があります。なので臨時として「ビースト蘇生要員」としてのファルコンを準備し、さらに別で一つ以上必要になってしまうでしょう。そして出張と言うことなので2になります。
<ビースト蘇生係のファルコンです!
<もうちょっと重要な仕事持ったファルコンです!
純構築におけるシャドール投入案
9~11枚程度のシャドールモンスターを投入する際に、どのような分布が望まれるのでしょうか。私が想定している案と、その意味合いを幾つか書かせていただきます。
純構築案、シャドール部分
私はこの枚数、つまり16枚程度になるようにしています。
①モンスター数9の理由
40枚構築における初手のモンスターの数の期待値が1.5未満であり、それでいて十分な量のシャドールを供給できるとして9を採択しています。デッキ総数を増やす場合はハウンドとファルコンを優先して追加していますね。
②リザード
私の中では2で固定です。一枚はマスマティシャンか影依融合でデッキから落とす、もう一枚は写し身で使用する――。このような想定をしており、三枚目のリザードは「後半になってモンスター墓地送りカードから影依の原核にアクセスしたい」場合くらいしかリザードじゃないといけないと感じたことがなかったので不要と判断しました。リザードを乱用するとデッキ内のシャドールが枯渇することもありますし枚数は抑えめで。「貪欲とかで戻せるじゃんシャドール」という意見には「リザード戻せるじゃないですか」という返答をさせていただきます。
③ビースト
個人的に、ここから減らすならばビーストですね。純構築ではビーストを墓地へ送るタイミングが多いのである程度の枚数を入れても構いませんが、初動で来られるとあんまり嬉しくないですし、なによりデッキのシャドールは墓地に送る手段もサーチする手段も豊富にあります。これ故にあまり枚数を多くしても事故を併発するだけなビーストは減らすという意見を持っています。
④ドラゴン
相手に干渉する能力ばかりなので、控えめにして1です。ベアトリーチェを入れるなど相手ターン中にデッキにアクセスをしやすい構築であるならば2にしても良いでしょう。堕ち影による墓地肥やしを期待するのもありですが、引けないといけないという点からやや怪しめです。構築次第でしょう。
⑤ファルコン
純構築では1にするのはどうしても惜しく感じます。理由は散々述べたので割愛。3にしても良いんじゃないでしょうか。堕ち影などで臨時の壁を作る際にも速攻で作れますし、エンドフェイズに出す手段があったりするならば迷わず複数投入です。初動の事故はビーストよりも軽いですし、その点でもファルコンの複数投入は、ビーストの複数投入と同レベルかそれ以上に必要だと感じます。
⑥ヘッジホッグ
私はこれも2で固定しています。私が3体のヘッジホッグに仕事を与えるならば
①融合サーチ②モンスターサーチ③モンスターサーチ
になるのですが、私はこの①に疑問を投げています。弱いと断言する訳ではありませんが、デッキを掘り進める構築にしていたらセットをする必要性に欠けますし、あるいは融合以外の攻め手を持っている場合「セット」という行為がどうしても遅く感じるのです。更に言うとモンスター除去が増えてきた昨今では安易にリバースをさせてくれるとも限りません。すると①は、②か③の流用であることが自然になります。言い換えると「モンスターサーチを使用した後でファルコンでセットした」ヘッジホッグになることも少なくありません。つまり堕ち影+ファルコンなどが前提だと感じているのです。
融合へのアクセスは大変重要なのですが、太陽の書などの強制リバースがない限りどうしてもリバース効果は発動が遅く、また除去に耐えうるカードではないため、抑え目で二枚にしています。
⑦ハウンド
追加でシャドールを入れるなら真っ先に入れるカードです。モンスターを10にするならば、ビーストとドラゴンの枚数を入れ替えてからハウンドを1枚入れます。ハウンドは自分の場のシャドールを起こせる能力があります。ファルコンなどのセットから写し身やおろかな埋葬などでハウンドを墓地へ置くとリバース効果を起動できるのですね。何より相手のモンスターの挙動を止められるという強みがあります。ファルコンとは別の壁生成になってくれますね。リバース効果はやや使いにくいですが有って損をするものではありません。先程の動きでもファルコンを回収したりもできますし、最悪エルシャドールたちを拾うこともできるのです。融合の息切れを阻止するという側面でも使用できる可能性を秘めていますね。
⑧ルーツ
1は採用します。これは写し身へのアクセス、羽根帚などへのブラフとして置いて融合の回収、緊急時の壁などとして使えるので、入れて損はないでしょう。ただし壁にした場合は融合を回収できないので涙を飲みましょう。2にして融合をする際にルーツだけで作るという荒業もありますが、ルーツは同名を拾うことができないのでエルシャドールで回収しない限り墓地に眠ったままになり、終盤限定の動きになってしまいます。ルーツ過激派するのも良いかもですが。アノマリリスと共に9エクシーズ組むという選択肢がないではありませんね。
⑨堕ち影
自由枠でしょうが、私は枚数をある程度入れることを前提としています。しかし削る先としては選択肢は早目に出ますね。このカードが全霊の力を発揮するにはシャドールモンスターと共に引いて、という仮定がつきます。なので構築によっては十分にここを削れるでしょう。構築と罠の分配次第ではあります。
終わりに
出張では混ぜるものごとに構築が大きく変わります。なので幾つもの例を挙げました。幾つもの構築案があります。重要なのはそれらの意味合い、つまりは構築段階から想定しているゲームメイクなのです。どのプランが合うのかを想定した上で、確かなものを選びましょう。
純構築においても、引いてくるカードの数への計算なども絶やさず、どの程度引けるのかなどを入念に計算し尽くした上でデッキを組むことが望まれます。初動は何なのか、攻め手は何か、リソース管理はどうするか、切り札は、守り方は――。シャドールは確かに非常に難しいデッキですが、構築段階から考えるべき良いデッキであると確信しています。私の記事がどなたかの構築理念に影響を与えられることを切に願っております。