もちのシャドール考察

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シャドールのカードについての考察

 

 簡単に私がどんな口調で、あるいはどんな理念の人間かを示すために、各シャドールカードについての考察を書かせていただきます。ここで「あっこいつ無理かも」と思われた方は、別の遊戯王考察ブログなどへ行くのが賢明と思われます。この先もきっと同様の話し方、同様の考察をするつもりですので、生理的に無理ならば読んでいるだけで要らぬストレスを溜めることになってしまいますからね。

モンスターたち

ファルコン

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 シャドールの名前を冠するチューナーです。ヘッジホッグでサーチできるチューナーですね。(何でチューナーがいるのにシャドールSモンスターがいないのかとかは聞いてはいけない。)

 リバース効果はシャドール蘇生、墓地送られ時は自身蘇生。ボードアドバンテージを取り易いカードで、とても優秀なシャドールモンスターですね。持久力の要であり、同時に融合直後における選択肢を広げるカードでもあります。シャドールにとっての強みがある攻撃を融合からのシンクロと考えている私にとって、このカードの存在はなくてはならないものです。

 このカードの弱点は、初手に来た時の処理の難しさではないでしょうか。墓地にシャドールがないのにセットしても意味がありませんし、手札に来ているから影依融合で墓地へ送るのも勿体ないと感じがちです。以上の理由から減らしてしまいやすいかもですが、このカードは安易に1枚以下にしてはいけないと感じています。

 その理由は単純で、違う役割をそれぞれのファルコンに持たせる必要があるからです。1枚は蘇生に使うことになるでしょうし、1枚はシンクロ素材に使うことになります。これのどちらかを疎かにすると持久力と火力を両立できなくなってしまいます。特にありがちなのは、「シンクロ素材にするのが惜しい」という感情が湧きあがることでしょう。だってシェキナーガとかミドラーシュとか蘇生させたいですもんね。これは攻め手を損なうことになります。ファルコンが被るというのを「事故」と捉えるのか「使い分け」と捉えるのかで回し方が変わると思っていますが、私は後者なのです。

 

ヘッジホッグ

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 強力なサーチャーですね。リバース効果は魔法罠を、墓地送られ時はモンスターを、それぞれ手札に加えます。シャドールを出張させる際にも非常に有力なモンスターでしょう。純構築でもその性能を如何なく発揮してくれます。融合でこのカードにアクセスすることでシャドールは始まるとも言えるかもしれませんね。

 弱点という弱点は挙げにくいですが、このカードに依存したプレイングをするようになると危険だとは言えるかもしれません。具体的には「ヘッジホッグ来た。とりあえずこれセットして融合握るか」という考えです。ライオウなどのサーチ封じやマジェスペクターユニコーンなどのバウンス、はたまたライトニングやアザトートなどの効果発動封じと、危険性は山ほどあるので、この発想はいただけません。他に展開の手段があるならば、どっちを取るべきかを吟味した後にセットすべきだ、ということですね。

 後は終盤でデッキにこいつだけ残すと腐ってしまうということくらいでしょうか。融合や堕ち影を使用する際にはヘッジホッグの枚数には注意しておくべきであります。デッキの中のどのシャドールをどの頻度で使用するかという観点で、構築段階から枚数に気を配るべきカードであるとも言えますね。

 融合後などにどのモンスターをサーチすべきかというのは、また別の記事でお話ししたいなと思います。デッキごとに正解が全く違うので、ここで大雑把に書くことがタブーだからです。

 

リザード

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 純構築などにおける強力な潤滑剤です。リバース効果はモンスター破壊、墓地送られ時はシャドールカードの埋葬。リザード最大の強みは、写し身やシェキナーガなどで手札のシャドールとして使用する際に、デッキに眠る全てのシャドールカードに切り換えられる点であると考えています。ヘッジホッグに繋ぐも良し、ドラゴンでバック破壊も良し、ビーストで手札誘発などを狙うのもまた良いでしょう。

 もう一つの強みは写し身へのアクセスのしやすさにあります。例えばデッキ融合でリザードを使用した場合、次に考えるべきなのは「ここから更に相手よりもアドバンテージを稼ぐにはどうするべきか」でありますが、シャドールデッキにおけるアドバンテージは融合より生まれることが多いというのは周知の事実でしょう。相手ターン中にミドラーシュやシェキナーガを出すという動きは単純にして強力で、その為にも写し身はぜひとも投入したいですね。すると融合素材としてリザードを使って写し身を落としておき、出した融合体を使用して展開をしつつ写し身を回収するという動きは大事であると言えるでしょう。

 初動にも中盤にも使いやすいこのカードの弱点は、しかしながら出張セットには不向きであるという点に帰着します。リザードの強みと言うのは、写し身の存在と融合体の全力活用の二つにあると述べました。つまり「デッキ融合によるアドバンテージが欲しい」という発想が強い「出張」には向かないということです。リザードの採用の有無は、「シャドール何枚からが写し身を入れるに値するか」という話にもなりますね。

 

ドラゴン

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 最近人気の子。リバース効果はモンスターバウンス、墓地送られ時は魔法罠破壊。レベル4で19打点ということもあり使いやすいですね。ヘッジホッグを邪魔するライオウと相打ちが取れます。リバース効果は厄介な魔法封じであるエクストリオのくそったれなどに対しての回答としても優秀です。デッキ融合からアドバンテージを稼ぐ際も面倒な伏せカードを除去してくれたりするので、分かりやすく露払いができるカードですね。守備が0であることを利用して悪夢再びやカメンレオンと合わせたりもできます。

 このカードも大きな弱点はないと思っていますが、強いて挙げるならば「このカード自体には、プレイヤーにアドバンテージを与える能力がない」ことでしょうか。他のシャドールモンスターには「プレイヤー側にプラスとなる能力」がありますが、ドラゴンのみ「相手にダメージを与える能力」ばかりである、ということです。(ここではひとまず「自分の魔法罠を割ることによるアドバンテージ」は無視させていただく。)これは何を意味するかというと、相手によっては機能しないということですね。そして初動の際には重くなることがたまにあるということでもあります。このモンスターのセットが意味するのは時間稼ぎという側面が小さくありません。相手のテンポを削ぐか、壁としてライフレースで負けないようにする、というやや消極的な意図が見えることもありますね。(カオスMAXが直撃した時については、自分が伏せカードで処理できなかったことを恨むしかないですね。)

 

ハウンド

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 曲者ながらデッキ次第では輝きますね。リバース効果はシャドールサルベージ、墓地送られ時は表示形式変更。融合によるアドバンテージが重視されるシャドールにおいては、どうしても後者の能力がどれだけ直接的なアドバンテージに繋がるかが意識されがちであり、それに反するこのカードは敬遠されがちですね。またサルベージ効果も初動では使えないことからファルコンと同様「初動では重い」レッテルを貼られることになり、この二つが合わさって抜けることが多いですね。

 今回の構築論でも主役とは言い難いですが、堕ち影を入れるならば一旦は採用を検討して欲しいカードの一枚です。特にミドラーシュを守る手段として非常に使いやすいと考えています。ミドラーシュは非常に強固な束縛能力と耐性を持っているが、戦闘補助による被破壊という危険性はつきものです。例えば疾風のゲイルなど、単体でもレベルの高い戦闘能力を有するモンスター相手だと呆気なく潰れてしまいます。そういう時のお守りとして使えるのです!(カオスMAXが直撃した時については、自分が伏せカードで処理できなかったことを恨むしかないですね。)墓地へ送られることで発動する守備札でありますから、召喚権を潰す必要が無いというのも大きいでしょう。また、もしかしたらペンギンソルジャーなどの恐ろしい効果を持ったセットモンスターだったり、高い攻撃力を有するモンスターなどシャドールにとって分が悪いことが多いモンスターだったり、そういうのが相手の場にいたとしても、ハウンドが突破を可能にできることもあります。このカードは、戦闘補助という面で優秀なのです!

 

ビースト

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 デッキに入る唯一の上級シャドールモンスター。リバース効果は2ドロー1捨て、墓地送られ時は1ドロー。融合から状況に拘わらずにアドバンテージを稼げるためこちらも人気ですね。ネクロスシャドールなどでも採用が見られたと記憶しています。ハンドアドバンテージを確実に得られるカードであり、手札の質が有無を言うこのゲーム、ビーストの能力は非常に魅力的です。

 ですがこのカードもまた弱点はあります。それは上級モンスターであるという点です。ドラゴンなどと違って手札に来た場合、処理する手段がない場合「リリースして」出すことになるでしょう。故に事故を誘発しやすい。また、場にエクストラから出たモンスターを無くすなど、意図がある動きならば良いのですが、ドローのためだけにセットするのは非常に危険だと言わざるを得ません。モンスターのリソース減衰もさることながら、最たる問題点は「情報アドバンテージ」。シャドールにおける上級モンスターがこれだけなのは周知と思われますが、それ故にビーストだという情報を譲ることになりがちなのです。

もち「ミドラーシュをリリースしてモンスターをセットだ!」
相手「あれ絶対ビーストだろwwwwww」

 という光景は何度も見ています。事故を起こし得る点と情報アドと与える点を加味して、このカードの採用を検討するべきだということですね。

 それを逆手に取る作戦もあるかもしれません。例えばヘルポエマーを使ってみるとか面白いかもしれませんね。

相手「おら、ライトニングでつついてやるよwww」
もち「ふぅん!これはヘルポエマーだ!毎ターンキサマの手札を抉ってやる!」
相手「おっ。じゃあトリッククラウン捨ててクラブレな。そのままラプソディでミドラーシュとそのゾンビみたいなの除外」
もち「ああああああああああ」

 このように非常に強力な動きができますね。ヘルポエマーくんは流石です。闇マリクが使っていただけのことはあります。

f:id:mochimochiMidra:20160622182057j:plain <ポエ~

 

セフィラたち

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 ちょっと異色ですがこちらも紹介。こやつの利点は「ヘッジホッグと神託の二つの方法で」サーチできる「レベル2非チューナー」という点です。ファルコンから《虹光の宣告者》を出すことができたりします。(自分の融合が邪魔される可能性については秘密。)

 ペンデュラム召喚を組み込む場合も面白いですね。《EMトランプ・ガール》と共に反復横飛びすれば《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》やらミドラーシュやらがポコポコ出てくれます。この場合はスケール1とスケール3だけで十分なので、優秀なスケール3持ちである《マジカル・アブダクター》や《竜魔王ベクターP》などを採用が検討できます。楽しそうですね。楽しそうですね??

 

 さて、これでモンスターは全て紹介は終わりました。……セフィラルーツ君?それはセフィラの子ですね??彼は神託でサーチ出来るレベル4シャドールモンスターであることがメインなので、それならば他のセフィラを組み込みましょう。割りとハウンドが全てを持って行ってくれます。

f:id:mochimochiMidra:20160624170802j:plain<待って私スケールのナーガとかSSできるんだけど

 

魔法と罠

影依融合

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 シャドールデッキを組むモチベーションとして最たるものでしょう。強力すぎるデッキ融合。何アド取れるか分かったものではないハイパー万能カードですね。デッキ融合一枚からクェーサーやらタイラントやらが立つこのご時世、このカードなしでシャドールを考えるのはもはや難しいのではないでしょうか。不可能ではないが。

 そんなインチキの代名詞ですが、このカードが機能しないと言うことは、シャドールというデッキにおける、エンジンがついてない状態に近くなります。シャドールは後攻を取るデッキだと感じられがちですが、まさに「このカードに機能をして欲しいから」というお願いから来るものなのです。要は「相手依存である」ということが問題点なのです。そして「後攻で強いカード」という点も重要になります。先攻でこれだけを握ってもしゃーないのですね。

 先日ショップの非公認に出ていたのですが、
もち「よっしゃサイコロ勝ちましたんで先攻で!お願いします!
《影依融合》《影依融合》《影依融合》《神の通告》《増殖するG》
もち「キレソーーーーーーーーwwwwww」

 となることはあります。危険ですね。その後融合と通告伏せたところ羽根スタートから影霊衣で射殺されました。

もち「サイチェン!」(影依減らして……よし)
もち「先攻貰います!」
《影依融g「ああああああああああああああああああ」

 そのまま後攻1キルさよならドカーン。

 故に出張させる場合にこいつの枚数はやきもきすることになるでしょう。基本は三枚でも良いかもですが、これ被った時が怖いということもあるかもしれません。(私は「被ったら仕方ない、それより引きたい」と思う人間なのでほぼ確実に3ですが。)

 

神の写し身との接触

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 パワーカードその2。追撃、サクリファイスエスケープ、融合体によるロックの切り換えなど、何でもござれの万能カード。影依融合がエンジンなら、このカードはブースターです。シャドールの強みを全面に押し出すカードと言って構わないでしょう。ミドラーシュちゃんが写っているのが最大の魅力ですね。お陰でただいま制限カード

 そんな強カード認定をいただいているこのカードが出張に持ち込まれないのは、シャドールの動きでのみ強いからですね。要は「他の動きがしたいって言ってるのに出しゃばるんじゃねえ!」ってことです。そして、エクストラにあるミドラーシュやシェキナーガへの切り換え、手札へのシャドール供給の安定性――その為の枠圧迫。これが難しいのです。故にこのカードとリザードは切っても切れない関係にあり、リザードと写し身は殆ど同時に入ると言っても良いと言えるのです。

 このカードはいつから入れるの?どれくらいから入れるのが望ましいの?というのはある意味で結構な課題ですが、私なりの結論は準備しておりますので、よければこの後もご覧になっていただけますと幸いです。

 

影牢の呪縛

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 滅多に日の目を見ないこちらのフィールド魔法。初めて見たぞ!なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。実はなかなかの高性能で、特に②の「魔石カウンター×100だけ相手の場の攻撃力ダウン」はけっこう使いやすかったりします。相手ターン中のみですが、戦闘破壊というミドラーシュの弱点や、心もとないセットモンスターたちのパラメーターの守備にも繋がります。③が豪快なのでそれを重きにする人にとっては「初動で邪魔」の要素を排除しきれないでしょうが、コンバットトリックとしてこのカードを捉える人にとっては、③という強力なオマケつきの強者の苦痛となるわけですね。

 ただし弱点は少なくありません。サイクロンなどで軽々と剥がされますし、魔石カウンターなので他への流用が不可能であるのも厄介ですね。(魔力カウンターだったらなぁ、と考えるのは野暮ではありますが、まあ思わずにはいられないものです。)そしてこれが一番大きな弱点なのですが、「戦闘破壊されてもカウンターが貯まらない」のは致命的と言えますね。翻訳すると、墓地へ送る別のカードがなければいけない。つまりシャドールのエンジンがある程度温まってからでないと満足に始動してくれません。(だからこそ初動で邪魔と言われるわけなのですが。)

 そういう意味で、このカードは抜けることが多いわけです。しかしこういうのは考えるのが大事です。「他の人が採用してないから」入れないのではなく、自分で「あっ、これは使えない」と判断してからにしましょう。シャドールは構築に幅が有りますから、安直に他の方の真似をしているばかりではなかなか上達が難しいと思います。それ故にちゃんと不採用の理由をあげられるようにしたいですね。

 

魂写しの同化

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 一風変わった融合魔法。海外ではシクで登場。ミドラーシュちゃんが写っているぞ!!エグリスタやアノマリリスなどの素材を入れるのが少し難しいデッキにおいてそれらにアクセスをしやすくするカードでもあります。他の二つの融合が強烈すぎてどうにも霞むのですが、こいつはこいつで幾らでも使い道があります。単純な融合の性能では劣るのですが、属性の変更というのは何だかんだ悪いことができるものです。ドゥローレンやM・HEROなどの素材として使用する作戦は、消費こそ荒いが戦略の幅を広げられます。また装備魔法であることに着目すれば、パワーツールやアームズホールなどのサポートを受けることもできますね。構築しだいで十分に輝くカードなのです!

 カードパワー以外の弱点としては、やはりサイクロンなどに極端に弱い点です。また強制脱出装置などのフリーチェーン除去にも弱く、融合をするための行動が大幅な損失をもたらすことが少なくありません。このカードはプレイングの難しさも孕んでおり、テキトーに入れることができず、また極端に強いカードでもないが故に、どうしても抜けてしまいがちなのでございます。私こいつ結構好きなのですけどね、使いこなせていないのでまだまだ努力が必要です。

 

堕ち影の蠢き

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 フリーチェーンのおろかな埋葬に、場のシャドールをフリップできるというオマケまでついているなかなかのパワーカード。シャドールはモンスターが墓地へ送られたらアドを取れるので、このカードは非常に有り難い存在になります。リザードを挟んでの圧縮や、ドラゴンによる破壊、ハウンドによるテンポ崩しなど、何でもござれな柔軟なカードです。

 このカード自体に弱点はほぼないのですが、強いて挙げるなら「ワンテンポ遅れてのシャドールの効果発動」というのがたまに足を引っ張るでしょうか。例えば糞猿モンキーボードのような「効果の発動がターン1」の永続カードには当然そこへチェーンする形で打ちたくなるものですが、それができないのですね。性質上仕方ありませんが、まあそういう点もあるわけです。

 そして構築の段階からこれが抜けうる最大の理由に、「デッキのシャドールが多くないと弱い」点と、「最近バカなパワーを持つカードが増えたせいでリバース効果と合わせてようやく強力になることが増えてきた」ことの二つがあります。前者は「出張」に限るが、後者はどちらの構築でも必ずぶち当たる壁です。要は「その枠有れば他の罠入れれば?」という誘惑なのですね。この意見は非常に尤もらしく、融合をできる限り早めに握りたいですから40枚にしたいお年頃、枠がきついこともありましょう。

 私は或る程度の枚数があるならば入れるべきだと考えていますが、その理由はサイドチェンジにあります。このカードは、例えば成金ゴブリンのような特性があるのです。要は「回転を速めるカード」であり、攻撃防御のどちらにも直接は関わって来ないのですね。せっかくのサイドチェンジなのでメタカードは早めに引きたくなります。するとやはり40枚が望まれますが、デッキに余裕がないと「サイドチェンジの際に回転パーツを減らさないといけない」なんてことになりかねません。そういう時の緩衝材として、堕ち影は非常に有効なのです。直接的な撃力には欠ける罠であるから、ここをサッと抜いてメタカードへ切り替えることで、下手に損害を与えることなくサイドチェンジが完了します。こういう緩衝材としての強みが堕ち影には存在しており、一戦目のみならずマッチ戦を加味する場合このカードが使いやすくなると感じています。

 

影依の原核

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 縁の下の力持ち。融合を円滑にするカードであり、またデッキ融合から、現在制限カードである写し身へのアクセスとして重要になって来るカードになります。融合をすることでアドバンテージを稼ぐデッキたるシャドールにとって、融合魔法を手札に握ることは非常に重要です。故にこのカードによるサルベージで、常に融合を握っているということは相手への大きな威嚇にもなるのでございます。このカードは緊急時の壁にもなり、融合モンスターを素材にシンクロなどを行った後に回収しておけば、融合素材にもできれば壁にもできるようになるという、なかなかの使いやすさがあります。これをうまく使えるようになればきっと楽しくシャドールできます。

 このカードの弱点は、やはり初動での弱さにあります。このカードでの融合は写し身を前提としていることが多く、そうでない場合は、デッキ融合が困難、あるいはせっかくのデッキ融合を損なっている、ということが多いでしょう。更に言ってしまうと初手の5枚ないし6枚にやってきた原核は腐っていることになり、写し身という制限カードに頼るほかなくなります。こいつも写し身も1枚しか採用しないならば、その確率に期待するのは厳しいですね。融合素材増強兼融合回収が強いのは事実ですが、融合できない状況では壁にしかならないという点からテンポアドバンテージを取られることが多く、使用方法とどんなタイミングに来た時に強いかなどについては、入念な想定が必要となるカードになります。

 

 さて、ここまで楽しくメインデッキに入るシャドールを(割と)喋って来ました。以降はある意味で本番の、融合体についてです。ここについてはかなり意見が分かれるところだと思いますのでご了承のほどを……。

 

融合モンスター

ミドラーシュ

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 私の敬愛するカード。効果破壊耐性、特殊召喚が一回しかできないという制約の付与。そして22打点であり、シンクロ召喚などが難しい状況から出せるモンスターでは突破できないこともしばしば。シャドールがヘイトを稼ぐこととなった最大の要因でしょうね。今のご時世ではペンデュラムというシステムや下級モンスターの強力化のせいで平然と突破されることも多くなりましたが、それを封じるカードさえあれば非常に強烈です。(実はミドラーシュが居る時に、チェーンブロックを作らない特殊召喚に対して神の警告などを当てれば、そのターン完全に特殊召喚できなくなる。)さらにシャドール二体で作れるというのも大きい。デッキ融合以外にも手札でだぶついたシャドール連中の処理として非常に有能なのです。ミドラーシュの存在自体がこのデッキの潤滑油となっており、特に純構築では「事故軽減」と「守り」を司る、強力なカードであります。

 このカードの最大の弱点は、やはり自分の首をも絞めることでしょう。特殊召喚ができなくなるのはこちらも同じであるため、このカードを使う時は、

  • ファルコンを使ったシンクロを絡めるか
  • ファーファレルなど一旦場から離すカードを使うか
  • バックを固めて次ターン相手の妨害に努めるよう動くか

 のうちどれかに繋げる必要があります。簡易融合を使う場合は大抵一番上ですね。どの動きが良いのかをよく考えてミドラーシュを使用していきましょう。安易にミドラーシュを出すとエクストラを浪費するだけになってしまい、せっかくの強みが無くなってしまうかもしれません。

 

ウェンディゴ

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 なぜか要らない子扱いされるモンスター。こいつ凄いのですけどね。効果は少しクセがあって使いにくいのは認めますが、それを補って余りあるパラメーターです。8シンクロへの繋げやすさ、SRという強力テーマとの接着剤など、単に切り捨てるのは「めっ!」と言わざるを得ないパラメーター持ちです。戦闘破壊に弱いシャドールにおける防御札にもなり、ミドラーシュ以上に「展開」を押すカードなのです。私などは《聖刻龍―ドラゴンヌート》を起動するのによく使っています。ツィオルキン確定ルートです。

 弱点は間違いなく、このカード自体に制圧力が無いことですね。元のモンスターの性質上仕方ないと思っていますが、せっかくの融合を「メタ能力のないモンスター」に繋げるというのは少々勿体なく感じるわけです。シェキナーガなどは30横というパラメーターも有しているので、「最初に出すならシェキかミドラじゃない?」というのは分からないでもありません。シャドールに何を求めるか次第でもありますのでね。

 

エグリスタ

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 もうちょっと攻撃力ありそうな子ですね。チェーンブロックを作らない特殊召喚を封じる能力を有しており、かつて私もクリフォート戦で大いにお世話になりました。ユニコーンなどが出て来るペンデュラム召喚に強く、ミドラーシュと共にいれば、そう簡単には突破されない盤面になること間違いなしです。あっブラホやめて。またジェットロンを併用する場合8シンクロに繋ぎやすくなりますね。手札を1枚切るのが強いデッキでは検討ができるでしょう。私は幻影シャドールで採用しています。Ωまで行けるのは良いですね。

 エグリスタの難しさは、炎属性に良いモンスターが居ないことと、このカード自身の耐性のなさにあります。炎属性で墓地にあると強力なモンスターと言って、真炎の爆発関係とノイド以外に何か浮かぶものはあるでしょうか?ヴォルカニックジェットロン、不知火モンスター。ここでほぼ尽きるのではないでしょうか。要は「出したら強いけど出すための構築が難しい」ということです。そして耐性がないというのは、効果による除去にも、戦闘による除去にも耐えにくいということを意味します。ミドラーシュやシェキナーガと違って単体の能力はたかが知れており、他のシャドール体の横にあることが半ば前提となっているモンスターです。故にどうしても扱いに悩むわけなのですね。

 

ネフィリム

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 禁止カードですが考察はしておきます。シャドールにおける攻撃の要であり、最大攻撃力2800を持っている他、レベル8光属性天使族と、割と悪用のしやすいパラメーターを有しています。非常に攻撃的な効果をしており、特に「SS時にシャドールを墓地へ送れる効果」については、デッキ融合でリザードと共に出すだけで、原核を落としつつ一瞬にして写し身へアクセスできるという強みがありました。シャドールらしい展開をする際にはこのカードが欠かせなく、また最近の切り札に多い高打点などを無視して「あ、特殊召喚したモンスター?問答無用で戦闘破壊ね」などと言い出してくれるのも有り難かったですね。シンクロでもいきなり牙王に繋げられる他、強力なランク8への足掛かりとしても使いやすく、私は開闢と共にプライムを作ったりしていたものです。シャドールの速度を上げていた最高の燃料だったのですが、その強さに目を付けられ敢え無く収監。はやく返せよ。

 ただしこいつのカタストル効果は強制なので、クリスタルとかそういう連中のトリガーになってしまうのは厄介なところですね。ノイドのリリスが相手の場合は除外までされちゃうのでとても悲しい気持ちになっちゃうかもしれません。

 

アノマリリス

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 ネフィリムの最終形態。幸子。何でリリスのパラメーターじゃなかったのかはよく分かりません。ご丁寧に当時のネクロスをぶっ殺すために作ってくれたらしく、魔法による手札、墓地からの特殊召喚を封じてくれるというトリシューラパラメーター持ち。最近は魔法による特殊召喚も増えてきており、このカードはけっこう重く刺さることがあります。青眼の福音などをぶっ殺してくれますね。また27打点は魔法による蘇生を重視したデッキでは辛いことも多いでしょう。

 弱点は幾つかありますが、一つは束縛能力の中途半端さ、一つはシンクロ召喚への繋げにくさ、一つは水属性との親和性の低さです。

 確かにシャドールにとって厄介なのは墓地から出る強力モンスターであり、影依融合のトリガーを無理やり引かせるという点では使いやすいかもしれません。しかし残念ながら先にこのモンスターを出すためにデッキ融合を使うことが重要視されることが多いので、「相手の場を払える」カードもあって初めてメタ能力は十全に機能するわけです。それを避けるには原核を使うか同化を使うかということになりますが、前者は融合素材にするにはやや惜しく、後者は相手の妨害を受けやすい。どちらもうまくないのですね。

 またレベル9であり、ファルコンとシンクロしようにも星態龍にしかなりません。こいつは非常に曲者で、なにせ融合が回収できないというバグを抱えています。融合を握るのが強いのに、シンクロで打点を上げたらその強みを損なうことになってしまいます。嫌ですね。

 そして第三の弱点たる「素材の弱さ」がまた厄介。墓地で強力な水で何を浮かべるでしょう?ボーグガンナー?そいつ禁止。黄泉ガエル?罠が使えなくなってしまいます。けっきょくドラゴンアイスとキラースネークくらいしかないでしょう。あるいはタツノオトシオヤや壊獣のガメシエル、グレイドルなどを期待しても良いですが、要は「素材が強いという王道ではない」のですね。出せるルートがあるから入れているというものなのです。

 変わった使い方もできますね。例えば魔神王の契約書で出せるのですね。悪魔族融合体であることも活用すれば、様々なルートが創造できるでしょう。水属性よりそちらに着目すれば良いのかもしれません。レベル9に着目するならばお城から蘇生できるという点も挙げておきましょう。

f:id:mochimochiMidra:20160622194631j:plain<蘇生するやで f:id:mochimochiMidra:20160622194713j:plain<キィーン

 

シェキナーガ

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 現在のメイン盾。(これで勝つる!)ネフィリム第二形態。どうやってキラーを乗っ取ったのかは不明。地属性はなかなか豊作で、構築段階から割と困らずに組み込むことができるでしょう。ペロペロに魔サイ、バルブ、増G、マスマなど、墓地にあって強力、ないしデッキに簡単に組み込めるというモンスターは多いですね。使いやすい能力も持っていますし、その守備力もあって堅固な壁として機能します。ヘッジホッグと何かで作ったシェキナーガは突破に一苦労する事請け合いです!だからブラホやめて。

 登場当時からとても強力なモンスターですが、弱点を挙げるならシンクロ素材としての流用の難しさでしょう。打点がやや低いせいで攻撃に転ずるのが厄介なためファルコンとで何かを作るべきなのですが、出て来るのがオニマルだけなのです。オニマル自体は優秀なSモンスターなのですが、肝心なのは「選択肢の狭さ」にあります。汎用レベル12Sモンスターの幅が増えれば変わる評価であるのは間違いありません。出来れば攻撃力は高めだと嬉しいですね。

 

 簡単になりますが、このような考察から、このブログを開始させていただきます。お付き合いいただけますと幸いです