もちのシャドール考察

遊戯王考察してます。気になることはこちらまでお気軽にどうぞ→@MidrashRio18

壊獣「俺たちだけで壊獣大決戦だ!!」

 EXTRA PACK 2016の発売が迫って参りました。海外の優秀なテーマが三つもやってきますし、私とっても楽しみにしております。ワクワクが止まらねえ!

 前回はバージェストマについて考察をしましたが、今回は同じく汎用性の高い出張が行えそうなテーマである「壊獣」について考察をしようと思います。「構築や文章のセンスない人は嫌いです」という方や「壊獣?シャドールじゃないの?読まないです」という方は、瞑想について調べてみるのも一興でしょう。意識を可能な限り薄くするというのは、とても面白いものですよ。

 補足ですが、このページは「純構築ではなく壊獣出張についての考察」です。なので純構築のための記事をお探しの方も、ブラウザバックして別の記事をお探しくださいませ。

カード解説

 さてこの壊獣というテーマの何が特長的かと言いますと、相手フィールドのモンスターを除去することがとても容易である点ですね。スーパーメカドゴラン君以外には次のような召喚法があります:

(1):このカードは相手フィールドのモンスター1体をリリースし、 手札から相手フィールドに攻撃表示で特殊召喚できる。
(2):相手フィールドに「壊獣」モンスターが存在する場合、このカードは手札から攻撃表示で特殊召喚できる。
(3):「壊獣」モンスターは自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。

 なるほど、これがあればドラゴンバスターユニコーンも軽々とどけられます。素敵ですね。残念ながらクリスティアや虚無魔人には無力ですが、サイドデッキにサタンクロースが入ることもしばしばある現状、このカードたちのパワーはとても分かりやすいことでしょう。また彼らにはそれぞれ固有の「壊獣カウンターを用いた効果」がありまして、それ故になかなかトリッキーな動きもしてくれます。

 さて、同じく通常召喚権を使わないサタンクロースと違う点としては:

  1. 攻撃表示で特殊召喚される点
  2. 相手フィールドに置いてもカウンターがない限り直接的なアドバンテージを稼がれない点
  3. 相手の場に複数体並べられない点

 の三つがあります。上の二つは、特に少数を採用する場合には光りますね。攻撃力の低い壊獣を採用すればボードアドバンテージを与えずに済むことが増えますし、処理ができないとして放置したところで強烈なディスアドバンテージとなるわけでもありません。

 しかしサタンと違って複数枚来た場合の処理方法がやや特殊になり、特に相手の場を複数取り除けないというのは痛手になることもあります。ダークロウバハシャ餅カエルみたいな布陣の場合、厄介なのは餅カエルとダークロウの二枚になりますが、壊獣の場合は複数枚握っていても片方しか処理ができません。なかなか悩ましいところですね。環境とデッキ相性しだいでしょう。

 さて、以下にはカード名ごと――ではなく、属性ごとにまとめさせていただきます。仮にもシャドールについてのブログですからね、シャドール意識で。その後に魔法や罠を登場順に書きます。

海亀壊獣ガメシエル

f:id:mochimochiMidra:20160831202018j:plain 元ネタ:ガメラ

星8/水属性/水族/攻2200/守3000
(4):相手が「海亀壊獣ガメシエル」以外の魔法・罠・モンスターの効果を発動した時、 自分・相手フィールドの壊獣カウンターを2つ取り除いて発動できる。 その発動を無効にし除外する。

 このカードの特徴は最低攻撃力の壊獣である点ですね。2200というのは、ミドラーシュと同士討ちにできるラインでもあり、シャドールにとってはやや重い攻撃力にはなりますが、外部発注した火力やシェキナーガなどに依頼すれば超えるのも難しくないですね。地味にレベル8ですので、困った際には《ドレード・イン》や《アドバンスドロー》の餌食にしてしまうのも選択肢に入ると思います。

 壊獣カウンターを使用した効果は、インフェルノイドネヘモスとリリスを足したようなものですね。ターン制限もないので、カウンターがある程度あるならば脅威的な封殺能力を誇ります。正直洒落になりません。特に横になっているガメシエルは本当にえぐいです。カウンターがない上に攻撃表示のガメシエル君はただのサンドバッグなのですが。

f:id:mochimochiMidra:20160831202018j:plain<ガオー

f:id:mochimochiMidra:20160806194738p:plain<イヤーッ

f:id:mochimochiMidra:20160831202018j:plain<アバーッ

 余談ですが、ガメシエル君水族です。べ、別に、餅カエルの餌になることなんて、大したことじゃないんだからねっ!

多次元壊獣ラディアン

f:id:mochimochiMidra:20160831203231j:plain 元ネタ:メフィラス星人

星7/闇属性/悪魔族/攻2800/守2500
(4):1ターンに1度、自分・相手フィールドの壊獣カウンターを2つ取り除いて発動できる。 自分フィールドに「ラディアントークン」(悪魔族・闇・星7・攻2800/守0)1体を特殊召喚する。 このトークンはS素材にできない。

このラディアンもなかなかの汎用性を誇ります。レベル7闇属性であるため、《闇の誘惑》や《七星の宝刀》で手札交換の餌にも使用できるからですね。壊獣は特に先攻では使いにくい側面がありますが、それを手札交換に充てることができるのは重要です。他にも闇属性はサポートが豊富ですね。相手の場に送ったラディアンを《超融合》で《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》にしてしまうのもありでしょう。攻撃力はやや高いので、下手に入れると首を絞めるかもしれませんので要注意です。

 壊獣カウンターを使用した効果はトークン生成能力です。固定ステータス持ちのトークンとしては上質で、攻撃力2800のモンスターが軽く作れるというのは非常に強烈ですね。

f:id:mochimochiMidra:20160831203231j:plain<カウンターうめー

f:id:mochimochiMidra:20160831203231j:plain<カウンター食べれると聞いて

f:id:mochimochiMidra:20160831203231j:plain<お前にはあげない

粘糸壊獣クモグス

f:id:mochimochiMidra:20160831204314p:plain 元ネタ:クモンガ

星7/地属性/昆虫族/攻2400/守2500
(4):相手がモンスターの召喚・特殊召喚に成功した時、 自分・相手フィールドの壊獣カウンターを2つ取り除いて発動できる。 次のターンの終了時までそのモンスターは攻撃できず、効果は無効になる。

 攻撃力が低めなので、サンドバッグ役ですね。唯一の地属性ですのでシェキナーガの餌にすることもできなくはありません。しかしやや活用手段に欠けるパラメーターですので、安易に採用するのは難しいでしょう。これを優先する場合は、七星の宝刀を使えることをうまく生かしたいですね。

 壊獣カウンターを使用した効果は、「デモンズチェーン効果の落とし穴」みたいな感じですね。誘発即時効果には反応できず、永遠ではないですので、そのままにしておくことはできないでしょう。相手への牽制という感覚で使うことになりますね。

怒炎壊獣ドゴラン

f:id:mochimochiMidra:20160831205720j:plain元ネタ:ゴジラ

星8/炎属性/恐竜族/攻3000/守1200
(4):1ターンに1度、自分・相手フィールドの壊獣カウンターを3つ取り除いて発動できる。 相手フィールドのモンスターを全て破壊する。 この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。

 強力な攻撃力を持った壊獣ですね。(怪獣王なのに最大じゃないとはこれ如何に。)レベル8なので相変わらずのトレードインなどへの対応もさることながら、貴重な炎属性なのでエグリスタの素材にすることも容易いというスグレモノ。なぜか守備が脆いので月の書に弱いというオチャメなところ見せてくれてます。逆にこれは自分が使う際の簡単調理レシピとなるわけですが。

 壊獣カウンターを使った効果はオベリスクを彷彿させますね。攻撃できないところまでそっくり☆ きっとレーザーとかを大量に放った結果休眠せざるを得なくなったのでしょう。口からレーザー、やはりロマンですよね。

f:id:mochimochiMidra:20160901120015j:plainゴジラもバーストストリーム使うんですね)

怪粉壊獣ガダーラ

f:id:mochimochiMidra:20160901120538j:plain元ネタ:モスラ(画像はバトルモスラのフィギュア)

星8/風属性/昆虫族/攻2700/守1600
(4):1ターンに1度、自分・相手フィールドの壊獣カウンターを3つ取り除いて発動できる。 このカード以外のフィールドのモンスターの攻撃力・守備力を半分にする。 この効果は相手ターンでも発動できる。

 風属性壊獣ですね。出張させるにはちょっとパラメーター的には悩ましいところ。サンドバッグにするにもアタッカーにするにも、何とも言えないですからね。ウェンディゴの素材などを視野に入れつつ、トレードインなどにも対応しているところをうまく活用してやりましょう。

 壊獣カウンターを使用した効果は、誘発即時でBFゲイル効果を全体に付与するというものです。非常に強烈で、カウンターがある限り実質54打点の怪物が居座ることになります。ただ厳しいのは、これがカウンターを3つ使用する効果である点ですね。後述しますがカウンターの数には限りがありますので、カウンターの浪費は厳禁なのです。そのため多い消費になるほど悩ましくなります。登場のタイミングを見計らって、が最良ですね。

壊星壊獣ジズキエル

f:id:mochimochiMidra:20160901122352j:plain元ネタ:ガイガン(?)

星10/光属性/機械族/攻3300/守2600
(4):カード1枚のみを対象とする魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、 自分・相手フィールドの壊獣カウンターを3つ取り除いて発動できる。 その効果を無効にし、フィールドのカード1枚を選んで破壊できる。

 最高攻撃力を持つ壊獣の一角です。アタッカーとして申し分のない性能を誇り、またレベル10であるためスペリオルドーラなどの素材とすることもできますね。基本的には自分の場に置きたい壊獣になると思います。こんな高打点、相手の場に置くと自分が死んじゃいますからね。

 壊獣カウンターを使用した効果は、1枚のみを対象に取る効果に対するスターダストシフルみたいなものです。ガメシエルと違って他のカードを破壊するので制圧力がかなり変わります。しかしカウンター3つと重く、安易に使うのは難しいでしょう。

雷撃壊獣サンダー・ザ・キング

f:id:mochimochiMidra:20160901131117j:plain元ネタ:キングギドラ 使い手:ミザエル

星9/光属性/雷族/攻3300/守2100
(4):1ターンに1度、自分・相手フィールドの壊獣カウンターを3つ取り除いて発動できる。 このターン、相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動できず、 このカードは1度のバトルフェイズ中に3回までモンスターに攻撃できる。

 ネオギャラクシーアイズタキオンドラゴンの化身です。嘘ですごめんなさい――と言いたいですが、効果もかなり似てたりするんですよね。地味に素材にもなるし。さておき。攻撃力は最も高い壊獣ですが、同じ攻撃力をもつジズキエルと比べると、レベル9雷族というサポートの受けにくいパラメーターであることが何とも言い難いですね。他のデッキに入れるのは難しいでしょう。

 壊獣カウンターを使用する効果は、まさにネオタキオン。モンスターだけとはいえ三回攻撃が行え、さらに効果の発動を完全に封じてしまいます。カウンター3消費はなかなか重いですが、それに見合うほどのエンド火力。ライトニングだろうがネクロガードナーだろうが関係なく踏み潰す。圧倒的なパワーです。かっけえ。

対壊獣用決戦兵器スーパーメカドゴラン

f:id:mochimochiMidra:20160901132745j:plain元ネタ:メカゴジラ

星8/光属性/機械族/攻 ?/守2000
このカードは通常召喚できない。 相手フィールドに「壊獣」モンスターが存在する場合に特殊召喚できる。
(1):「壊獣」モンスターは自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。
(2):1ターンに1度、自分・相手フィールドの壊獣カウンターを2つ取り除いて発動できる。 自分の手札・墓地から「壊獣」モンスター1体を選んで装備カード扱いとしてこのカードに装備する。
(3):このカードの攻撃力は、このカードの効果で装備した「壊獣」モンスターの元々の攻撃力分アップする。

 何でお前スーレアやねんありがとう安く組めるやんけくそったれ。実質的に壊獣デッキでしか使用はできません。この子が使用に堪えるかどうかは――何とも擁護が難しいですかね。効果までコピーができれば文句なく強力な子であったと断言できますが、打点のみなので、複数ターン維持しなければこのカードであるべき理由が見つからないということになってしまいます。

 特殊召喚モンスターであるため、名推理の邪魔をしないという点はありますね。まあ壊獣を入れないと場に出すためには使えないので、後述する《妨げられた壊獣の眠り》とメカドゴランだけを入れてトレイン名推理という圧縮方法に特化するというのも選択肢にないではないですが――。

KYOUTOUウォーターフロント

f:id:mochimochiMidra:20160901170350j:plain元ネタ:東京スカイツリー

フィールド魔法
(1):フィールドのカードが墓地へ送られる度に、 1枚につき1つこのカードに壊獣カウンターを置く(最大5つまで)。 (2):1ターンに1度、このカードの壊獣カウンターが3つ以上の場合に発動できる。 自分はデッキから「壊獣」モンスター1体を手札に加える。 (3):このカードが効果で破壊される場合、 代わりにこのカードの壊獣カウンターを1つ取り除く事ができる。

 続いての紹介はフィールド魔法。どう見てもインチキの詰め合わせですね。耐性もさることながら、サーチは条件さえ満たせばノーコスト。カウンターを乗せる条件も一番緩いです。シンクロ召喚などになった場合もカウンターが乗る他、相手の場のモンスターをリリースして壊獣を出したとしてもカウンターが一つ乗ります。強いですね。個人的にローマ字全角なのが何というか違う気がしてるのですが。

壊獣捕獲大作戦

f:id:mochimochiMidra:20160901172624p:plain

永続罠
「壊獣捕獲大作戦」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):1ターンに1度、フィールドの「壊獣」モンスター1体を対象として発動できる。 そのモンスターを裏側守備表示にする。 その後、このカードに壊獣カウンターを1つ置く(最大3つまで)。
(2):このカードが相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。 自分はデッキから2枚ドローする。

 永続罠のサポートですね。複数の相手モンスターを除去しつつ壊獣カウンターを稼げるという強みがあります。また誘発即時で裏側にできるので、相手フィールドに置いた高攻撃力の壊獣をパタンとしてあげることもできますね。ワザマエ!

 相手のサイクロンなどで壊された場合はドローができます。羽根帚への対策になりますね。と言ってもウォーターフロントは羽根に強いですから、どちらかと言うとこの効果はオマケ的ですね。

妨げられた壊獣の眠り

f:id:mochimochiMidra:20160901181041p:plain

通常魔法
「妨げられた壊獣の眠り」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):フィールドのモンスターを全て破壊する。その後、デッキからカード名が異なる「壊獣」モンスターを自分・相手のフィールドに1体ずつ攻撃表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは表示形式を変更できず、攻撃可能な場合は攻撃しなければならない。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「壊獣」モンスター1体を手札に加える。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 強力な挽回カードです。ブラックホールしつつデッキから二体の壊獣を特殊召喚します。馬鹿なんでしょうね。実際ガメシエルとドゴランの二体を出すということは多いでしょうね、レベル8壊獣で使いやすいパラメーターですし。さらに墓地効果でサーチまで付いています。ウォーターフロントも涙目の汎用性ですね。弱点としては、壊獣たちと同じくクリスティアなどの特殊召喚封じに弱い点が挙げられますね。壊獣モンスターが存在する場合は例外的に使える裁定のようです。遊戯王って難しい。

 このカードの投入を視野に入れた出張セットについても後述しますので、ひとまずは「やばいけどタイミングしだいでは使えない、後攻捲り強い通常魔法」くらいに捉えておいてください。

壊獣の出現記録

f:id:mochimochiMidra:20160901184129p:plain

永続魔法
(1):手札・墓地から「壊獣」モンスターが特殊召喚される度に、このカードに壊獣カウンターを置く(最大5つまで)。
(2):1ターンに1度、フィールドの「壊獣」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを破壊し、その後、そのコントローラーのフィールドに、破壊したモンスターと元々のカード名が異なる「壊獣」モンスター1体を自分のデッキから特殊召喚する。
(3):壊獣カウンターが3つ以上のこのカードを墓地へ送って発動できる。デッキから「壊獣の出現記録」以外の「壊獣」魔法・罠カード1枚を手札に加える。

 永続魔法のサポートカード。(当然と言えば当然なのだが)非常に異例の裁定が下されていて、壊獣が居ても特殊召喚する効果を発動できるのですよね。

 このカードの中では効果が完結していませんが、カウンター貯蔵庫としても優秀な他、ガメシエル君を強力な壁にしたてあげる張本人です。さらにガメシエルを破壊してジズキエルなどにスイッチし、メイン2にはまたガメシエルに戻したりもできます。このカードが他の壊獣サポートカードよりも優れているのは表示形式を選択できることです。これのお陰で今まで割を食って来たガメシエルの効果が活躍できるようになったのですね。

f:id:mochimochiMidra:20160831202018j:plainf:id:mochimochiMidra:20160901131117j:plainf:id:mochimochiMidra:20160831202018j:plain

 めいれいさせろ→ガンガンいこうぜ→いのちだいじに みたいな感じです(ちがう)。

 またこのカードとカウンターを失う代わりに、今までサーチができなかった壊獣魔法・罠がサーチできます。具体的に言うと「眠りがサーチ出来る」カードが登場しているということです。強化版ブラホがサーチできるとか、もうそろそろ魔境も甚だしいですね。アタマおかしいです。アタマリバース――ってこれはネタがマイナーすぎる上に意味が違う。

 

 以上、粒揃いの壊獣さんたち。以下では「出張させる場合」に注視して書かせていただきますので、特に出現記録、サンダーザキングの二つは実力の割りにかなり雑に扱われることとなるので注意してください。

 

壊獣使用大作戦!

 前提として、眠りが入るか否かで内容が大きく変わりますので、それぞれについて書こうと思います。まずはない場合、そして次にある場合、として書かせていただきます。各セクションごとにそんなに長くはないですので、幾つかバーッと並べて、バーッと解説します。

 後攻の初手に握る確率については、拙文ですが結局どれくらいシャドール入れるの? - シャドール好きな雑魚YPの考察の中の表を参考にしていただけると幸いです。

お昼寝を邪魔されない壊獣セット

 この場合の枚数についてですが、多くて4枚でしょう。これよりも増やす場合は眠りを入れることを想定したほうが良い可能性が高くなります。壊獣モンスターのみを5以上にするくらいならば、最強の挽回札である眠りを入れてサーチや盤面全破壊の可能性を追求していったほうが良いと感じているからです。

ガメシエル2

 最低攻撃力2200というのは、ランク3でも十分に超えられるラインです。なのでシンクロやエクシーズなど、ある程度の火力の供給が容易いデッキではとても簡単に採用ができるでしょう。レベル8デッキでも最も簡単に採用できるという、お手軽タイプです。

ラディアン2

 闇属性であることを優先しているものであり、メインデッキから搭載するのに最も適しています。闇の誘惑は汎用性の高いカードですので、それに使えるというのは大きいですね。情報アドバンテージを与えずに済むという利点も挙げられます。

ガメシエル1ラディアン2

 闇属性寄りの3枚投入セット。3枚の際に種類を散らすことがあるのは、10パーセントほどある「被った」時に、倒しやすいほうを相手に送ってこちらの場にはより強い壊獣を出せるようにするという可能性を作るためです。闇に寄せているのは闇の誘惑が強いな、というデッキを想定しているからです。

ラディアン3

 闇属性に完全に寄せて、引きの偏りを無くすという方向性です。誘惑と合わせるならばやはり使いやすいですからね。ダブることなんてそうはないだろうという考えでいくならばこれが道理でしょう。

ガメシエル2ドゴラン1

 レベル8で統一する際の散らし方としてはこれが最も使いやすいかな、と思います。ガダーラより強烈な打点を持つドゴランのほうが相手への威嚇として使いやすいため、こちらを採用しています。ドゴランの打点が怖い場合はガダーラにしても良いでしょうか。この場合は以下のものにしたほうが良いとも感じますが。

ガメシエル3

 同じく偏りをなくしつつ、自陣には出さないことを想定している入れ方ですね。上で言う「ドゴランのみ素引きを警戒した結果」です。何だかんだで壊獣の「相手の場を除去」にのみ徹したものでしょうね。

ラディアン3ガメシエル1

 闇属性デッキで壊獣を4に増やす際はまあこれでしょう。ガメシエルは相手の場を除くという点では最も適しているので、眠り抜きでサイドチェンジなどで増やすならばこうなると思われます。

居眠りを邪魔されて激おこな構築

 お昼寝を邪魔する場合を考えます。採用枚数は眠りを含めて6~8でしょうか。眠りは2種類の壊獣モンスターがデッキにいる必要がありますので、少なくとも4枚以上の壊獣を、3種類ほど散らして入れることになります。2種類のみというのは、片方を引ききる可能性がある程度高いために避けた方が良いでしょう。特に3:1配分に眠りを差す場合は1を引いてしまうと眠りは手札コストにしてからのサーチにしか使えなくなるためワンテンポ遅れてしまうからです。眠りの妨げを妨げると、グースカピーというわけです。

 眠りの枚数は、最低2で行くのが吉でしょう。3にするか否かはサイドデッキの枠次第でしょうか。詳しくは後述。

ラディアン2ガメシエル1クモグス1眠り2~3

 闇属性を押しつつの3種類セットですね。眠りを発動する場合はラディアンをガメシエルを出すことを優先することになるでしょうか。眠りの墓地効果によるサーチはラディアンとクモグスを手札次第で決めることになりますね。

 クモグス→ドゴランでも良いのですが、ラディアンの28打点をある程度評価しているので自陣に置くものとしてラディアンのみにして、残り2枠を散らしながらのサンドバッグ役としたいと感じたからです。

ガメシエル2ガダーラ1ドゴラン1眠り2~3

 レベル8を押す場合の3種類セットでしょう。基本は上に準じます。

ラディアン3ガメシエル1クモグス1眠り2~3

 壊獣モンスターの枚数を増やす案その1。ラディアンの枚数を増やしているのは誘惑によるドローを安定的に行うためです。

ラディアン2ガメシエル2クモグス1眠り3

 モンスター枚数を増やす案その2。こちらは眠りを優先した構築で、手札に来た眠りが発動できないということを可能な限り無くすため、2積みの壊獣を2種類にしています。眠りは3ありますので、場合によっては手札コストにしたりデッキから直接墓地へ送ることで、壊獣の供給を狙っても良いでしょうか。

壊獣6眠り3について

 壊獣の枚数がかなり膨れており、デッキをかなり圧迫している可能性があります。可能性としてはラディアン3と眠り3の際に眠りも確実に使用したい場合でしょうが、罠などとの兼ね合いになるでしょう。

ジズキエルについて

 ジズキエルはやや特殊で、33打点というものは相手の場に出すとなると非常に危険になります。その為自分の場に出せることを想定し、レベル10であることも活用できるデッキに投入するのが吉となるでしょう。眠りを前提としたカードとも考えられるため、枚数が少ない時には投入不能と言って良いと考えています。

ウォーターフロント不採用の理由について

 肝心なのですが、一見するとウォーターフロントというのは安定した壊獣供給にも繋がることから、出張においても必要ではないかと感じる方もいらっしゃると思います。しかしこのカードは、こと出張においては入れてはなりません。理由は単純明快、相手に万が一カウンターを使用されて動かれては困るからです。

 相手ターンに使用できる効果としてガメシエル、クモグス、ガダーラ、ジズキエルがあります。相手に送るのは前者2つですが、これらが万が一機能することがあってはなりません。結局置物が残ったままになるというのは大変厄介、というかせっかく壊獣を入れた意味がなくなってしまいます。

 故にウォーターフロントは不採用になってしまいます。

サイドチェンジでのスイッチ

 ここでは構築論の中でも、眠り有りセットと無しセットをサイチェンで切り換える時の心がけと、ちょっとした実例を紹介することとさせていただきます。

 例えば私が闇属性のデッキに入れようとしているものは:

 メインデッキ42であり、
 採用しているのはラディアン3ガメシエル1で、
 サイドデッキにドゴラン1眠り

 というもので、特に後攻を取る際にこの3枚をデッキに入れて眠り型にスイッチするようにしています。

 そもそも何故眠りを入れない構築があるか、についても解説をさせていただきます。非常に重要なため、枠で囲うことといたします。

 眠りはとても強力な挽回札で、墓地へ落ちても有効活用ができるため、コストとしても大変貴重です。壊獣の「相手のモンスターを簡単に除去できる」という側面を優先的に扱うならば、リクルートもサーチもできるこのカードは単に入れるだけで強そうにも感じられます。

 しかし、例えば眠り1で壊獣2:1という散らし方はダメなのかということですが、これはとても良くありません。第一に事故を誘発しやすい点です。眠りはデッキの壊獣を3枚触ることを想定しており、特に手札から発動する場合は2種類を要するため1のほうを引いてしまっただけでコストにしかできなくなり、事故を併発するため危険です。第二に眠り1枚のみというのは引ける確率が大きく下がってしまう点です。ここを単に枚数を増やしたところで、リクルートできる可能性は変わらず、むしろ手札に「墓地にあれば一回使えるカナー」くらいのものが溜まる可能性が上がるだけです。
 同様に壊獣2の場合も不適切です。1種類ならばサーチしかできないのは言うまでもありませんし、壊獣を1:1で散らしたとしてもサーチかリクルートのうちどちらかを捨てることになります。たとえ回収カードがあるとして、それはすぐさま打てるものとは限りません。壊獣において重要なのは即効性であり、回収前提で壊獣カードを入れるのは壊獣を入れる理由そのものを無くしています。まるで順位が逆であり、これは壊獣の有用性を大きく欠くことになっていますね。

 以上の理由から、壊獣モンスターが3枚以下の場合の投入は難しく、眠りというパワーカードは構築次第で抜けてしまうということです。

 

〜追記〜

 ところで最近見かけた壊獣1、1、1と眠りという投入分配についての所感を。この入れ方をする場合はデッキに《おろかな副葬》を入れましょう。眠りはそれぞれだとは思うのですが、私は堅実に壊獣を持ってこられるカードとして捉えたいです。壊獣がかぶることを警戒するなら当然このカードが腐ることは考えなければなりません。なので壊獣3の時はやや不安があります。他とのシナジーもないならば避けたいものです。
 しかしそれ以上にそもそも壊獣が来ないことを避けるために多少の壊獣を増やしているのですから、他のカードも巻き込んでの壊獣サーチをするのが望ましくなります。ここで最も使いやすいのが副葬です。単純に副葬を入れずに4にするのではなく、副葬3で計7枚にするだけで、デッキ40枚の際、後攻での期待値は1を越えることになります。ラグこそありますが、腐り果てた壊獣たちを出勤させられる可能性を秘めているカードですのでどうぞご検討を。
 またこの動きは先攻でも非常に強力になります。とりあえず副葬で墓地に眠りを置いて展開をする。これだけで相手は墓地の眠りが次のターンに壊獣に化けることを想定しなければなりません。相手の動きをかなり抑制することができます。後攻の巻き返しを受けた後に登場する置物への対策としても適切ですね。

 

 さて、長くなってしまいました。眠りというカードは相手のデッキ次第で採用などを変えるべきであります。壊獣全体の弱点である特殊召喚封じを除くと、特に危険なのは《魔封じの芳香》です。魔封じを採用しやすいデッキを相手取る場合、壊獣モンスターのみをサイドデッキから投入するということもあります。

f:id:mochimochiMidra:20160901235708p:plain<眠ってて良いんだぜ、壊獣どもよ。

 ABCとの戦いを想定する場合、魔封じは格納庫が絡んだデッキ圧縮+ツクヨミの2ドローを勘案すると大体半分以上の確率で引けることになります。無視できる確率ではありません。故に眠りはサイドデッキから抜くというのが常套手段です。サイクロンなど魔封じへの対策手段が多くある場合にはそのまま入れても良いのですが、サイドチェンジの枠も高が知れています。
 壊獣というものは相手の場をどけてプレイを進めることが真髄であり、相手の場をどけるためにカードを大量に使用することとなりプレイを滞らせるというのはナンセンスというわけです。

 

 眠りをメインデッキから採用しておき、サイドチェンジにおいて抜くという選択肢もありますが、これじたいは実は悪くありません。というのも眠りは自分の場を破壊してでも起動できるため、例えば彼岸の悪鬼のような特殊召喚しやすいモンスターを的として発動し、デッキから回転に不要なカードを2枚も引きずり出しつつ、さらに次のターンには確実にデッキから壊獣を手札に加えられます。魔封じの影響を無視することもでき、大変有力な技と言えます。

 しかしこの動きは壊獣の枚数が残り少ないことを相手に表示してしまうようなものである上に、自陣の置物を作るにはやや不向きな動きとなっています。壊獣自体が相手の置物を破壊するカードだと言えますが、そのためだけに相手に触れられるカードの展開を妨げるのが良いかといいますと、むろんターンが帰って来なければ幾ら壊獣をサーチしようが無意味であるので、残念ながら良いとは言えませんね。

 故に私は眠りをサイドデッキから投入し、相手の場の破壊にのみ徹している、というわけなのです。

 

終わりに

 壊獣はとても汎用性の高いテーマであり、現存する置物環境を、ともすれば破壊するかもしれません。しかしそれは正しく使用してこそです。壊獣デッキではなく、現在で言うサタンクロースのような扱いとしての壊獣カードが、どのような構築で行き、どのように使われるか。これが肝心要なのです。そのためのハウトゥーユーズを、私なりにまとめて、ここにまとめさせていただきました。チラチラとツイッターで呟いていたことのまとめなのですが、改めて書き直した次第でございます。

 これがどなたかのお役に立てることを祈りつつ、この記事を終了させていただきます。壊獣は良いぞ。