もちのシャドール考察

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新規カードたちについての所感

 亀更新をし続けている雑魚です。もうちょっとシャドールについて考えたことをこのブログに書けば良いのではないかと考えつつも、「勝つためのデッキ作ってないのに貼ってもなあ。。。」などと後ろめたい気持ちを一生引きずる限りです。

 さて、今回はRATEやSPFEなどで登場する、ないししたカードたちについての考察を書かせていただきます。シャドールカードだけでなく、個人的にシャドールの強化と捉えられるカードについて一杯話していこうと思っていますので、「アイオーンのことだけじゃないの?もっと真剣にやれよ雑魚」という方などは、一度図書館に籠もって読書に明け暮れると良いでしょう。没頭するほど読書をすると大変楽しくなりますよ。

魂源への影劫回帰(プルシャドール・アイオーン)

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通常罠
(1):自分フィールドの「シャドール」モンスター1体を対象として発動できる。 手札から「シャドール」カード1枚を墓地へ送る。 対象のモンスターは攻撃力・守備力が1000アップし、 エンドフェイズに裏側守備表示になる。

 巷での評価がかなり低いカードですね。そもそもシャドールデッキなんて一括りにできるものじゃないのになーなんて思っているのですが。
 皆様が求めているのはデッキ融合へのアクセス増加かネフィリムの代わりだと思います。これはプトレマイオスの代わりとしてテラナイトに登場したヴァトライムスや、竜星の速度を一気に引き上げるのに登場したボウテンコウなどを見ると「あれくらいの強カードが出るに違いない!」と思われるのも仕方ないと思います。しかし残念ながら出ませんでした。出ないものは仕方ない。出た新規カードについての考察を頑張りましょう。

 このカードが弱いと思われている理由を端的に挙げますと:

  • 攻撃力アップならジュラゲドとか見習い魔導師とか居る
  • 裏側にするなら月の書がある
  • 手札枯渇を促進するのが怖い
  • 罠なので遅い

 あたりでしょうか。最後に関しては私も「速攻魔法か、せめて永続罠ならば」と無い物ねだりをしてしまったものですが、他についてはある程度の反駁を。というよりは「どこか一箇所しか見てないんじゃないか」という意見を返させていただきます。

 このカードは①攻撃力アップ ②シャドールカードを手札から切る ③エンドフェイズに裏側になる の三つの効果を有したカードです。もう一度言います。三つの効果を有したカードです。全てを活用する意気込みなしでこのカードを見ると弱く感じます。つまり「パンプしよう」とか「裏になるの良いなー」とかではなく、「パンプできる上にシャドールを使用できてEPに裏になる」ことを可能な限り生かす必要があるのです。

アイオーン詳説

 ではどのようなカードなのか。答えは「返り討ちをするためのカード」です。前提ですがこのカードの採用をする際に《シャドール・ハウンド》を弱いという意見を完全に捨ててください。ハウンドなしにこのカードを完全活用するのは不可能と断言しましょう。つまりどういうことか。このカードは私が貼った純構築のテンプレート以上にもっとシャドールを入れた構築で使用する必要があるということです。

 アイオーンを入れる際に考えるのは融合なしの時のゲームメイクです。例を挙げましょう。

 リザード、ドラゴン、アイオーン、通告、サイクロン

 これは先日デッキを組んでテキトーにめくった際に出てきた5枚です。ちょうど今の問題に最適だったので使います。とりあえずバック除去は一旦無視でお願いしますね。

 この場合最良なのはドラゴンセットの2〜3伏せです。誰でもそうするとは思いますが、まあ少しお待ちを。そして相手が展開を始めました。ここで通告を打つべきなのは戦闘時のカード発動を一切無効にするモンスターと、ドラゴンとの戦闘を邪魔するモンスターです。例えばライトニングやユニコーンですね。

 さて、では多少の露払いをしつつも相手が戦闘を仕掛けてきました。ここではハルベルトに出てきてもらいましょう。ドラゴンの守備力は0!さらに横にはEMのラディッシュホースがいます。強力な貫通+サーチをされた上で、影依融合もないのにランク4が立つというのは望ましくない。……そんな時に輝くのがアイオーンです。ちょっと使い方が難しいので注意して読んでくださいね。

①ダメージ計算前というステップの最初にドラゴンがリバースする
②ダメージ計算前に表側になったドラゴンを対象にアイオーンを発動する
リザードを墓地へ送り、リザードでハウンドをデッキから墓地へ送る
④ハウンドでドラゴンを攻撃表示にする
⑤攻撃力2900となったドラゴン君で殴る
⑥ダメージ計算後にドラゴンのリバース効果を処理して、ラディッシュホースをバウンスする
⑦ダメージステップ終了時、相手のハルベルトが破壊される

 という流れです。難しいでしょうか。要は「ダメージ計算前」というタイミングを全力活用します。これが強い。そしてそのまま裏側表示にすることでドラゴンが再利用できます。強力ですね。

 ではドラゴンじゃなくてファルコンだった場合はどうでしょう。ちょっと変えて手札のモンスターがファルコンとリザードだった場合にしましょう。先程とほぼ同様ですがやや防御的になりましょう。④から先を変更します。

④ダメージ計算前の始めにファルコンがリバースする
⑤表側になったファルコンを対象にアイオーンを発動する
リザードを墓地へ送り、リザードでハウンドをデッキから墓地へ送る
⑦ハウンドで攻撃してきたモンスターを守備表示にする
⑧これで戦闘は中断されて、リバースしたファルコンの効果が起動される

 という動きができます。ダメージステップは中断しているのにファルコンの効果は発動できるのかという質問があるかもしれませんが、すでに裁定を確認しておりますので大丈夫です。

 一つ目が最も理想的な動き方、二つ目は及第点の動き方です。ヘッジホッグも後者でしょう。ビーストは前者で活用ができる攻撃力です。リザードはどちらでも良いのですが、どちらにせよ手札にハウンドがある際の動きにはなってしまいますね。

 アイオーンがある場合のプレイングですが、リザードとハウンドが手札にある場合に使用することを最優先として、相手のライフを削るまであと一歩の時と、罠を水増しする要員として、たまに伏せるというのがよろしいと考えられますね。

注意点

 個人的に危険だと思っている動きは「ミドラーシュに打つこと」「シェキナーガに打つこと」の二つです。特に前者は、やりたくなるのはよーーく分かりますが、私は条件付き賛成くらいまでしか言えないですね。

 まずはミドラーシュに打つことがどう強いかを考えましょう。これを考えないとただ気味悪く批判している嫌な奴ですからね。

①32打点になるから戦闘で強くなる
②裏側になってくれるから次のターンで思う存分展開してから表にすることで相手にだけ制約を押し付けることができる
③かわいい

 この辺りでしょうか。

 シャドール内の今までの最高打点はアノマリリスの2700であり、特に3000ラインを超える術に欠けていたシャドールにとってはとても魅力的な数字です。――ところで、そんなモンスターが相手の場に出ている時にミドラーシュが立っているというのはどういう状況なのでしょう。青眼相手で手札融合などでしょうか、ではその路線で考えてみましょう。すると相手はデッキ融合を警戒してオルタナティブビートを開始する可能性が高いですね。そこにミドラーシュを出す。そして2伏せ……なるほど、警戒するに値しますね。相手に面倒ごとを押し込めそうだ。
 ――ところで、手札を融合で大量に消費しているのにアイオーンは使えるのでしょうか。なかなか難しそうですね。精霊龍がいるならばタックルセイダーを噛ませたシェキナーガを出したほうが良さそうです。これが活用できるタイミングはあるのでしょうか。難しいですね。

 さてこちらが本題。私が最も危惧している意見、「ミドラーシュを裏にできる、ヤッター」について。これを条件付き賛成と申しているのは、相手がリビデなどを喜々として使えてしまうことを危険視しているからです。ミドラーシュが裏になると確かにそのまま展開に持ち込めます。どんなカードで展開をするのであれ、特殊召喚を複数回行うことを想定するならばミドラーシュをどうするかの対策が欠かせません。その一環として私はファルコンとのシンクロ召喚を推していましたが、当然裏にしておいたほうがロックも任意で復活できるように感じますので、強そうですね。
 しかしこれをして良いのは「デッキ次第」です。なにせさっきの「特殊召喚が複数回出来る」は相手にとっても同じなのです。リビデ一枚で完全に返されることも有り得ます。特にKozmoや堕天使相手にやるのはまさに愚行。フリー環境でも罠の蘇生札などは幾らでもあるでしょう。せっかくのミドラーシュの拘束力を無駄にすることはしたくありません。最低でも相手のエンドフェイズ~自分のスタンバイフェイズという猶予を与えてしまうのは些かの不安を覚えます。なので、例えばABCのようなフリーチェーンで蘇生させるカードが(多く)入ったりしない場合にはアリだと思いますが、それ以外で行うには難しいのではないかと考えます。

 最後の理由ですが、ミドラーシュを寝かせるのが可愛いとは非常に良いセンスをしていますね。花丸あげます。

 

 シェキナーガに関しては、ミドラーシュほど苦言を呈するつもりはありませんが、同様に不安です。マジェスペクター・ユニコーンやダークシミターに睨みを効かせられる貴重なシャドールモンスターですから、モンスターによるフリーチェーンの除去を放ってくる連中は警戒すべきと考える限りなのです。3600打点欲しいのは分かりますけどね、アルティメット・ファルコンのような怪物に対してぶつけるのは嬉しいですもの。ただまあ相手ターンの場合先に攻撃力が下げられる未来が見えますので自分のターンに使うこととなり、返しにスキップ蘇生から虐められるのですが。

 ということで、アイオーンさんまとめ:

基本はリバースモンスターに使いたい
ハウンドと合わせると強い
効果の全部を活用するように立ち回れるように頑張る

 という具合です。融合体やルーツで回収できますが、融合体が出ているのですから、融合を回収するべきことのほうが多いでしょうね――。

捕食植物サンデウ・キンジー

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効果モンスター
星2/闇属性/植物族/攻 600/守 200
「捕食植物サンデウ・キンジー」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分が融合素材とする捕食カウンターが置かれたモンスターの属性は闇属性として扱う。
(2):自分メインフェイズに発動できる。闇属性の融合モンスターカードによって決められた、フィールドのこのカードを含む融合素材モンスターを自分の手札・フィールド及び相手フィールドの捕食カウンターが置かれたモンスターの中から選んで墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 ザ・ぶっ壊れですね。デッキ内の融合を一気に増やせる恐怖のモンスターカード。このカードの登場で、影依融合3写し身2キンジー3とすることで合計8枚となり、先攻融合の期待値が1にできることとなりました。(皆さんは魂写しの同化を入れないでしょうからここでは省きます。)

 この人がどう強いかと言いますと、第一にいつ来ても強い点です。序盤に来た場合はミドラーシュと後述するキメラフレシアのうちどちらかを置いて牽制or融合サーチへの布石にでき、動き始めた後に来た場合もキメラフレシア、スターヴヴェノムなどを切り換えることで攻撃性を増した動きが容易くなります。第二に融合を必要としない点です。手札に来たシャドールを処理するどころかアドバンテージに変える手段として場に出すことができ、その上で融合魔法を使うというディスアドバンテージがないのは、もはやインチキですね。

 弱点は妨害に極端に弱い点です。ヴェーラーやスキドレは勿論、この人を融合素材にする必要がありますので、幽鬼うさぎにも屈します。これはなかなか難しいですね。普通の融合と違って損失は小さいが、代わりに弱点が増えた、という具合でしょうか。

 このカードのためにロンファを入れても良いかもしれませんね。融合へのアクセスが11枚ほどになりますから、かなりの高確率で引けるようになるだけではなく、エグリスタを入れる最良の口実になります。ペンデュラム召喚やABCの特殊召喚に対して睨みを利かせられるエグリスタは、やはり強烈ですからね。ただキンジーに依存をし過ぎると《次元障壁》を受けた際に返すことが困難になってしまいますのでご留意のほどを――。

捕食植物キメラフレシア

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融合・効果モンスター
星7/闇属性/植物族/攻2500/守2000
「捕食植物」モンスター+闇属性モンスター
(1):1ターンに1度、このカードのレベル以下のレベルを持つフィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。
(2):このカードが相手の表側表示モンスターと戦闘を行う攻撃宣言時に発動できる。ターン終了時まで、その相手モンスターの攻撃力は1000ダウンし、このカードの攻撃力は1000アップする。
(3):このカードが墓地へ送られた場合、次のスタンバイフェイズに発動できる。デッキから「融合」魔法カードまたは「フュージョン」魔法カード1枚を手札に加える。

 非常に強力なアタッカー兼サーチャーで、キンジーが登場する前は「捕食植物入れるの難しいよなぁ」なんて言っていたのが嘘のようです。強力な除外効果、実質4500打点持ち、どんな方法であれ墓地へ行けば任意の融合ないしフュージョンが手札に入る――。非常に強力な融合モンスターです。ウイルスの媒体としても強力で、ドローフェイズに発動することでそのターン中にサーチを行うことができます。臭気を放つラフレシアだけに、ウイルスとの関係は良好のご様子。このカードの存在がキンジーの評価を、キンジーの存在がこのカードの評価を、それぞれ高めており、キンジーが強カード認定されることは、このカードが強いことを証明しているとも言えるでしょう。

 弱点と言えばバウンスや除外に弱いという点ですが、いっそ《激流葬》で自ら流しても良いのではないでしょうか。ラフレシアも植物ですから、水やりは大事ですもの。まああまりの水量に死にますけども()。

十二獣ブルホーン

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エクシーズ・効果モンスター
ランク4/地属性/獣戦士族/攻 ?/守 ?
レベル4モンスター×2
「十二獣ブルホーン」は1ターンに1度、同名カード以外の自分フィールドの「十二獣」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):このカードの攻撃力・守備力は、このカードがX素材としている「十二獣」モンスターのそれぞれの数値分アップする。
(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。デッキから通常召喚可能な獣戦士族モンスター1体を手札に加える。

 厳密にはこのカードよりは、ここからサーチ出来るこのモンスターですね。

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 《月光黒羊》。手札から捨てて《融合》をサーチすることができますね。ランク4から――いえ、十二獣一枚、《SRベイゴマックス》などから融合がサーチ出来るようになり、融合へのアクセスが非常に簡単になりました。《E・HERO ブレイズマン》と違い《十二獣の開局》やベイゴマックスからスタートした場合、ライフ損失なし、召喚権を残したままに融合へのアクセスという非常に優れたものができ、その上で相手の妨害として使える《十二獣ドランシア》を置くことすら出来ます。

 つまり《SRベイゴマックス》《シャドール・ヘッジホッグ》といった手札が、召喚権を使用せずにドランシア+シェキナーガを出せることを確定させており、さらにモルモラットを使用した場合ランク4がもう一体立つ他、召喚権を加味する場合《マスマティシャン》などによるアドバンテージでミドラーシュ+ドランシア+ランク4という布陣も十分に可能なのです。

 

まとめ

 昨今ではカードプールが増加して、シャドールにとっても非常に嬉しいカードが登場して参りました。直接的な新規が来なかったからと悲観的にならず、ゆっくりとカードを考察していきましょう。いつも申しておりますが、シャドールは如何様にも拡張が可能なのです。様々なカードの投入が検討でき、どれが強いのかなどを厳密に決定することは不可能でしょう。

 どれが強いかではなく、それぞれがどう強いのかを吟味していきましょう。少しずつ琢磨していき、最終的に自分が納得できるようなデッキを作る――それでこそ、デッキは大成していくことでしょう。